2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500318
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
宮下 知之 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (70270668)
|
Keywords | Spacing effect / MAPK / memory / c-fos / CREB / Drosophila |
Research Abstract |
同じ内容の学習を同じ回数くり返したとしても、学習の間に任意の時間をおくspaced trainingで形成される記憶は、間隔をおかずに学習をするmassed trainingで形成される記憶にくらべて強く、長期にわたって保持される記憶となる。これはspacing effectとして100年以上前にHerman Ebbinghausによって最初の報告されている。しかし、spacing effectの分子メカニズムは全く明らかになっていなかった。ショウジョウバエを用いた学習記憶の以前の研究から、spaced trainingではCREB依存的な長期記憶が形成されるが、massed trainingでは長期記憶が抑制されることが明らかになった。massed trainingでどうしてLTM形成が抑制されるのか?trainingの間隔で何が起こっているのか?を明らかにするため、まず最初にspaced trainingやmassed training中のCREBとCREB上流の転写因子c-fosの遺伝子発現を調べた。CREBとc-fosの発現は、spaced trainingで上昇し、massed trainingで変化しなかった。さらにc-fosの転写活性化因子であるERKもspaced tariningで活性化しmassed trainingで抑制されていた。ERKの活性を抑制する阻害剤をショウジョウバエに与えると、転写依存的な長期記憶は障害されたが転写非依存的な記憶の獲得や短期記憶は障害されなかった。これらの結果から、trainingの間隔はERKを活性化させ、c-fosやCREB依存的な転写を活性化するために必要であることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)