2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸プロテオグリカンによる脳の臨界期決定機構
Project/Area Number |
21500323
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 清司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30243124)
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Keywords | プロテオグリカン / 臨界期 / 脳 / 可塑性 / シナプス |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPGs)は、脳における主要な細胞外マトリックスであり、神経系の可塑性に深く関わっていると考えられる。CSPGsは、軸索伸長やシナプス形成の阻害するが、tPA-Plasminogenシステムにより分解されることにより神経系の可塑性が生じると考えられる。本年度は、脳内におけるtPA-Plasminogenシステムの発現を視床下部を中心に調べたところ、終板器官、脳弓下器官、正中隆起などの脳室周囲器官および室傍核や視索上核に強い発現が認められた。これらの神経核では、神経新生が盛んに生じている部位であり、細胞の移動や新規シナプス形成などが生じている。よって、tPA-Plasminogenシステムによる細胞外マトリクスの分解が生じている可能性がある。 次に、培養海馬神経細胞を用いて、細胞外マトリクス分解の影響を調べた。CSPGsを分解する、コンドロイチナーゼABC処理を施すと、シナプス部位におけるGAP-43発現が顕著に増大することが、Western blottingと定量的免疫細胞化学法により明らかになった。GAP-43は未熟シナプスに発現することがシナプス小胞タンパクであるsynapsinやsynaptotagminの発現と同時に解析することで明らかになっている。よって、CSPGsはシナプス形成に阻害的に作用するが、酵素による分解はシナプス形成を促進することが明らかになった。 以上のように、in vivoおよびin vitro両方において、細胞外マトリックスCSPGsがシナプス可塑性に重要な作用を持っていることを証明することができた。
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[Journal Article] Localization of plasminogen in mouse hippocampus, cerebral cortex, and hypothalamus2011
Author(s)
Taniguchi, Y., Inoue, N., Morita, S., Nikaido, Y., Nakashima, T., Nagai, N., Okada, K., Matsuo, O., Miyata, S.
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Journal Title
Cell and Tissue Research
Volume: 343
Pages: 303-317
URL
Peer Reviewed
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