2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマ幹細胞バンクの構築と"stem cell phenotype"の解析
Project/Area Number |
21500335
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横尾 英明 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40282389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 洋一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10106908)
佐々木 惇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80225862)
石内 勝吾 琉球大学, 医学部, 教授 (10312878)
|
Keywords | 脳腫瘍 / グリオーマ / 幹細胞 / CD133 / prominin 1 / NG2 / CSPG4 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
ヒトCD133/prominin 1の部分合成ペプチドを免疫原とした抗体の作製を試み、ホルマリン固定パラフィン包埋切片で安定して染色可能なものを樹立した。幹細胞条件で培養したヒトグリオーマ細胞(tumor sphere)をホルマリン固定パラフィン包埋した材料において染色すると、通常のグリオーマ細胞とは明らかに形態の異なる大型細胞が陽性像を示した。また陽性細胞はsphereから突出するように存在したり、sphere内にて集簇して認められる傾向があった。これらの陽性細胞を免疫電顕法で観察したところ、偽足様の微細ヒダ状突起を有する細胞の細胞膜に一致して陽性所見を認めた。この抗体にラベル細胞が真に幹細胞であるかどうかは不明であるが、通常のグリオーマ細胞とは大きく異なる細胞形態をしており、グリオーマ内のsubpopulationをなす細胞であることが示唆された。一方、この抗体はグリオーマの臨床材料(パラフィン切片)では1切片あたり平均して0-数個の陽性細胞を認めるのみで、多くの腫瘍細胞は陰性だった。ヒトグリオーマにおいてCD133陽性細胞の出現頻度については諸説あるが、我々のデータではかなり頻度が低いという結果だった。また同抗体はフローサイトメトリーには使用できなかった。 ヒト抗体と同様な手法を用いてラットCD133/prominin 1に対しても抗体作製を試み、パラフィン切片で使用可能なものを樹立した。 グリオーマの発生母細胞としてオリゴデンドロサイト前駆細胞(NG2細胞)が注目されている。我々が保有するグリオーマ好発トランスジェニックラットに発生した脳腫瘍においてNG2抗原がほぼ全例で陽性となることを明らかにした。その結果を踏まえ、ヒトNG2/CSPG4抗体の作製に着手し、得られた抗体を現在解析中である。
|
Research Products
(4 results)