2010 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマ幹細胞バンクの構築と"stem cell phenotype"の解析
Project/Area Number |
21500335
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横尾 英明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40282389)
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Keywords | 脳腫瘍 / グリオーマ / 幹細胞 / CD133/prominin 1 / NG2/CSPG4 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
グリオーマの発生母細胞の研究の一環として、これまで対象としてきたヒト脳腫湯に加えて、本研究代表者を含むグループが樹立したS100β-v-erbBトランスジェニックラットを研究対象に加え、相互の比較や知見のフィードバックを行うことで、より精度の高い研究体制め構築を目指した。これはS100βプロモータの下流にEGFRホモログであるv-erbBを導入したラットであり、100%に近い浸透度でグリオーマが発生する。グリオーマの発生母細胞としてオリゴデンドロサイト前駆細胞(NG2細胞)が注目されている。NG2はラットで見出された分子であり、ラットにおける知見は豊富であるが、ヒトでは不明な点が多い。解析の結果、同ラットに発生した脳腫瘍においてNG2抗原がほぼ全例で陽性となることを明らかにした。その成果を踏まえ、ヒトNG2/CSPG4抗体を作製し、ヒト脳腫瘍における解析を試みた。その結果、凍結切片では非常に良好な染色性が得られ、パラフィン切片では染色性が落ちたものの、グリオーマにおいて高率に陽性となることが判明した。NG2細胞はグリア前駆細胞という名に反して、実際のところはマクログリアの総数とはあまり変わらない(若干少ない程度)数が存在することがヒト脳でも判明し、グリオーマの発生母地としてさらに詳細な解析を要する対象であることが示唆された。幹細胞条件でのヒト脳腫瘍の培養に関しては継代困難なもめが多く、症例数が伸び悩んでいる。そんな中1例だけ形質がほとんど変わることなく4年間継代中のものがあり、幹細胞のphenotype解析を行う予定である。また、びまん性グリオーマや二次性膠芽腫では多くの症例でIDH1/2の変異が近年明らかにされており、今後発生母細胞の解析の上で重要な研究対象となることはほぼ間違いない。そこでLAMP法による簡便なIDH1の変異解析法を考案した。
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Research Products
(9 results)