2011 Fiscal Year Annual Research Report
前脳基底核シナプス終末におけるドーパミン受容体とカルシウムチャネルの動態解析
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21500374
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
籾山 俊彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20230055)
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Keywords | 前脳基底核 / シナプス / ドーパミン受容体 / カルシウムチャネル / スライス / パッチクランプ / 生後発達変化 / カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
前脳基底核(basal forebrain nuclei;以下BFと略)は中枢神経系におけるアセチルコリン性ニューロンの起始核群であり、大脳皮質、海馬等様々な部位に線維を投射している。また、これまでの行動学的および臨床医学的研究によれば、BFは注意、覚醒、記憶および学習機能と関連し、BFニューロンの変性と、アルツハイマー病等の認知、学習、記憶障害性疾患が密接に関連していることが示唆されている。BFのアセチルコリン性ニューロンは、中脳のドーパミン性からドーパミン性軸策の投射を受けており、遊離されたドーパミンがBFのシナプス伝達を調節しているが、ドーパミンの遊離機構は不明である。本年度本研究では、新たなバイオセンサー素材として最近注目されているカーボンナノチューブを採用し、スライス標本内のドーパミン性ニューロン細胞体からのドーパミン遊離を酸化還元電流として検出すること、さらに、一つのドーパミン性ニューロンにドーパミン遊離検出法とホールセルパッチクランプ法を同時に適用し、活動電位発生と伝達物質遊離との同時モニター法を確立し、ドーパミン性ニューロンのD2型受容体活性化によって、膜の脱分極および活動電位の抑制に伴って、ドーパミン遊離が減少することを見出した。 本研究により、中枢神経系におけるドーパミンの新たな機能が明らかになるとともに、カーボンナノチューブのバイオセンサーとしての新たな機能が明らかになる可能性がある。さらに本研究成果が、精神・神経機能のメカニズム解明およびそれらの機能障害に対する新たな治療法開発につながることも期待したい。
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