2011 Fiscal Year Annual Research Report
モノアミン・セクレチンで制御されるシナプス伝達とその異常
Project/Area Number |
21500375
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
齋藤 文仁 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20360175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 昌俊 日本医科大学, 医学部, 講師 (60271350)
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Keywords | モノアミン / セクレチン / シナプス修飾 / 小脳 |
Research Abstract |
神経細胞間で営まれるシナプス伝達の異常は個体レベルでどのような異常(病態)として表現されるかを明らかにしたい。そのためには正常な状態で備えられている機能を明らかにして、それらの知見を応用することによって、病態の理解、治療方法の開発に貢献することが出来ると考える。本研究は小脳に焦点をおき、発達障害性疾患である自閉症の病態理解に貢献できる研究を目指している。 これまでの実験でセクレチンによる修飾作用が小脳皮質において、不均一に起こり、その規則性もつかめないままであった。具体的に発達変化や小脳小葉依存的な差異を検討したが、有意な差を認めることが出来なかった。しかし、昨年度に新たな知見として、小脳皮質GABA作動性介在神経細胞の神経終末において、cAMP-PKA系シグナル伝達以外に脂質代謝を介したIP_3産生とそれに続く細胞内Ca^<2+>上昇を示す結果を得た。薬理学的な証拠と共に、今年度は異なる神経伝達経路を介したCa^<2+>動態を明らかにして、新たなシナプス修飾作用を見出すことを目指す。また、神経終末部における何らかのタンパク質発現の不均一性がシナプス修飾作用の不均一性を説明する可能性を考えて、カルシウム、カリウムチャネルの発現パターンとシナプス修飾の関係も明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
セクレチンの作用に不均一性が存在しており、今後の研究を円滑に行うために、その規則性を見出そうと試みたために、時間を費やしてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
小脳皮質GABA作動性介在神経細胞の神経終末において、異なる時間経過で動員される細胞内Ca^<2+>上昇を観察している。この作用は新奇性の高い作用であり、薬理学的な実験をもとに、神経伝達経路を明らかにして、新たなシナプス修飾作用を見出すことを目指す。
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