2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500380
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
三浦 正巳 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都, 研究員 (40291091)
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Keywords | 生理学 / 脳神経 |
Research Abstract |
大脳基底核は大脳皮質、視床とループを形成し、運動機能に加え手続き記憶や強化学習を担っている。この「大脳皮質-基底核ループ」の中で、視床線条体入力は「注意」や「決断と行動の修正」といった独特の機能を持つと考えられている。視床線条体入力は、線条体のストリオソーム/マトリックスと呼ばれるコンパートメン構造によりシナプスの形態に違いがある。そのため視床線条体入力のシナプスの基本的な性質から可塑性までがコンパートメントによって異なる可能性がある。しかし、これまで手技的困難もあって、細胞レベルでの研究は多くない。 本研究ではこれまで、ストリオソームの細胞から選択的に電気記録を行う方法を確立し、視床線条体入浴と局所神経回路の関係を調べることを可能にした。この方法によってまず分かったことは、線条体の投射ニューロンは、入力も出力も夫々のコンパートメントの中だけに限局していることだった。おもしろいことに、インターニューロンであるコリン作動性ニューロンは、こうしたロンパートメントの制約をうけずに、両方のコンパートメントのニューロンと結合していた。このコリン作動性ニューロンへの入力は、monosynapticなIPSCと、polysynapticかつニコチン受容体を介したIPSCであった。直接的なmonosynaptic IPSCはtonicな抑制レベルを調節する一方、間接的なpolysynaptic IPSCは強い興奮の直後にphasicに働いていた。 このように線条体の局所神経回路が高い並列性をもっていることは、そこへの視床線条体入力の機能を考えるうえで重要な情報である。
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Research Products
(5 results)