2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500382
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 美幸 Kyoto University, 薬学研究科, 研究員 (60183894)
|
Keywords | 筋小胞体 / カルシウム / ミツグミン23 |
Research Abstract |
申請者が以前に発見し報告したミツグミン23(MG23)は小胞体と核膜に分布する機能不明な23kDaのタンパク質である。MG23は、様々な細胞系で検出され、特に骨格筋、心臓、脳といった興奮性組織で顕著に発現している。本研究はMG23の機能解明を目指す基礎研究であるが、得られる成果は医薬領域での病態解明や創薬評定設定などの応用の可能性を秘めている。 まずはじめに発現量が最大である骨格筋を解析の対象とした。骨格筋は大きく分類して速筋とよばれる運動に働く筋と、姿勢保持など持続して働き続ける遅筋が存在する。このうち、MG23は速筋で遅筋と比較して3倍程度高発現していた。MG23ノックアウトマウスは8週令以降コントロールマウスと比較して体重増加が減少していた。各臓器の湿重量を測定したところ、骨格筋の速筋で湿重量が減少していた。速筋と遅筋の張力を測定したところ、ノックアウトマウスの速筋では短収縮半減時間が遅延しており、カルシウム再取り込み機構が障害されていることがわかった。この現象の機構を解明するために、SERCAの活性測定や発現しているアイソフォームに変化がないかを調べる予定である。また、筋肉の組織学的所見でもノックアウトマウスの筋では、膨らんだ小胞体や壊死所見といった異常が確認された。今後は、筋ジストロフィーや他の筋疾患との関連がないか検討予定であり、クレアチンキナーゼ活性の測定は早急に行う予定である。
|
Research Products
(5 results)