2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子内サブドメイン間相互作用によるリアノジン受容体チャネル制御機構の解明
Project/Area Number |
21500383
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村山 尚 Juntendo University, 医学部, 准教授 (10230012)
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Keywords | リアノジン受容体 / カルシウムチャネル / 小胞体 / 悪性高熱 |
Research Abstract |
リアノジン受容体(RyR)は骨格筋および心筋の細胞内Ca2+遊離チャネルで、その遺伝子突然変異は種々の疾患を引き起こす。疾患変異を有するRyRではチャネル活性の異常亢進が見られることから、疾患変異がRyR分子内の特定のサブドメイン間相互作用を破綻させ、その結果チャネル活性が異常亢進している可能性がある。本研究では、RyR分子内サブドメイン間相互作用の実体とその制御機構を解明するため、野生型および疾患変異型のRyRサブドメインを種々のプローブ(ナノゴールド、分子内架橋、FRET)で特異的に標識して解析をおこない、サブドメイン間相互作用をアミノ酸残基レベルで解明する。本年度は2つのサブドメイン(SD1/SD2)のドメインマッピングを行うため、各サブドメイン中に特定のリガンドが結合するアミノ酸配列を挿入し、ナノゴールド標識したリガンドを結合させることにより、電子顕微鏡により位置同定を試みた。今回はHis-tag/Ni-NTAおよびPPTase認識配列/CoAの2種類を用いた。His-tagを用いた場合は、Ni-NTA-ナノゴールドが野生型RyRのSD1に特異的に結合することが示された。SD2は現在までに特異的な標識が得られていない。これは何らかの立体障害によるものと考えられたので、挿入部位を近傍の異なる部位に変えて再実験を行っている。一方、PPTase認識配列/CoAの組み合わせでは、現在までにSD1、SD2のいずれに対しても特異的な結合がみられていない。これは酵素であるPPTaseが仲介する反応のため、酵素の基質認識に対する立体障害が考えられる。本結果より、今後はHis-tag/Ni-NTAの組み合わせを採用することとした。現在、疾患変異を有するRyRを用いて同様な実験を行っている。
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