2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子内サブドメイン間相互作用によるリアノジン受容体チャネル制御機構の解明
Project/Area Number |
21500383
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村山 尚 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10230012)
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Keywords | リアノジン受容体 / カルシウムチャネル / 筋小胞体 / 悪性高熱 |
Research Abstract |
リアノジン受容体(RyR)は骨格筋および心筋の細胞内Ca2+遊離チャネルで、その遺伝子突然変異は種々の疾患を引き起こす。疾患変異を有するRyRではチャネル活性の異常亢進が見られることから、疾患変異がRyR分子内の特定のサブドメイン間相互作用を破綻させ、その結果チャネル活性が異常亢進している可能性がある。本研究では、RyR分子内サブドメイン間相互作用の実体とその制御機構を解明するため、野生型および疾患変異型向RyRサブドメインを種々のプローブ(ナノゴールド、分子内架橋、FRET)で特異的に標識して解析をおこない、サブドメイン間相互作用をアミノ酸残基レベルで解明することを目的とした。22年度までに、1型リアノジン受容体(RyR1)の2つのサブドメイン(SD1/SD2)のドメインマッピングに成功している。23年度はSD3ドメインの役割について検討を行った。 SD3はC末端の膜貫通ドメインに存在している。そこで、MH変異が見出されているS4-S5リンカーに注目してS4-S5リンカーのアミノ酸をアラニン置換してチャネル機能に対する影響を調べた。アラニン置換した変異体ではアミノ酸残基によりチャネル活性の減弱、または増強が見られた。この効果はS4-S5リンカーがαヘリックス構造を取ることでよく説明できた。変異体ではCa2+をはじめとしたリガンド感受性は変化しなかったことから、S4-S5リンカーはチャネルゲーティングを調節していることが示唆された。以上の結果から、SD3ドメインもチャネル活性に大きな影響を与えることがわかった。現在、SD3の相互作用ドメインについての解析を進めている。
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Research Products
(3 results)