2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しいメタボリックシンドロームモデルマウスの病態解析とその分子機構
Project/Area Number |
21500386
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 哲郎 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20111370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蕨 栄治 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70396612)
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Keywords | sequestosome 1 / レプチン / 肥満 / 視床下部 / 過食 |
Research Abstract |
1.中枢視床下部におけるSQSTM1の発現をより詳細に調べるため、POMCニューロン、NPYニューロン特異的にGFPを発現しているマウスを用いて、抗SQSTM1抗体を用いて2重染色を行い、弓状核等でSQSTM1がそれぞれのニューロンで発現していることを明らかにした。レプチン腹腔投与後、視床下部の固定組織切片を用いて神経細胞内のSTAT3のチロシン残基のリン酸化と核への移行を蛍光染色しレプチン作用の定量化を試み、SQSTM1欠損マウスにおけるレプチン抵抗性の性質について解析を進めた。成果の一部を学会で発表した。 2.SQSTM1遺伝子破壊マウスは過食肥満を呈する。この原因として、中枢の摂食調節に問題があるかどうか明らかにするために、コンディショナルノックアウトマウスの作成に取り組んでいる。Nestin-Creトランスジェニックマウスと交配し中枢特異的にSQSTM1を欠損するマウスを作成したが、マウス株の違いが有り肥満形成の中枢依存の明確な結論を得るためには遺伝的な背景をC57BLに合わせる必要が生じたため、バッククロスを繰り返している。 3.肥満に伴う病態として動脈硬化症が知られている。そこで、頸動脈結紮による動脈壁の肥厚についてSQSTM1-KOマウスと野生型の比較を行った。その結果、KOマウスで有意に血管壁の過度の肥厚が誘導された。そこで大動脈血管平滑筋細胞を培養し、増殖特性を比較したところ、KOマウス由来の細胞は血清刺激でより早く増殖し高細胞密度になることが明らかになった。SQSTM1が血管平滑筋細胞の増殖刺激を抑制することが明らかになった(JCMM誌に発表)。
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