2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しいメタボリックシンドロームモデルマウスの病態解析とその分子機構
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21500386
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 哲郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20111370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蕨 栄治 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70396612)
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Keywords | Seuestosome 1 / A170 / エストラジオール / 肥満 / 摂食 / 紫外線 / アポトーシス |
Research Abstract |
1.A170-KOマウスに対する女性ホルモンの摂食抑制効果について A170-KOオスマウスは若齢時から過食・肥満を呈するのに対し、A170-Kメスマウスは若齢期に限り摂食量・体重増加において野生型マウスとの有意な差が見られず、A170欠損による過食はほとんど見られない。そこで、女性ホルモン(E2:エストラジオール)がA170の摂食調節機能を代償しているのではないかという仮説を立て、検証した。過食を呈するA170-KOオスマウスにE2を投与することで過食が抑制され、体重増加/肥満が抑えられることが分かった。また、A170-KO若齢メスマウスの卵巣を除去すると、過食・肥満が亢進することが分かった。更に、A170-KOマウスにおいて、E2がレプチンの摂食抑制効果を増強することが分かった。これらの結果から、E2はA170欠損によるレプチン抵抗性をレスキューすることにより、過食による体重増加を抑制することが明らかとなった。(上田他、日本生化学会発表) 2.A170-KOマウスの紫外線感受性について A170は、これまでの研究から増殖シグナル伝達の抑制に関わっていることを明らかにしている。今回、アポトーシスを誘導するUVBに対するA170の役割の検討を行った。その結果、WTと比較しA170-KO由来胎児線維芽細胞(MEF)は顕著にUVB誘導性アポトーシスを抑制することを明らかにした。A170を欠損したMEFでは、細胞増殖を亢進するキナーゼSrcやその下流に位置する転写因子Stat3等の活性化が亢進していることがアポトーシス抵抗性を示す原因と考えられた。UVBはDNAに直接障害を与えることが明らかになっており、UVB障害によるアポトーシス抵抗性は発癌の原因になる可能性があり、今後の興味深い検討課題と考えられる。(木村他、臨床ストレス応答学会発表)
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Research Products
(10 results)