2011 Fiscal Year Annual Research Report
血球貪食症候を主徴とするリソソーム病の新規病態モデルの確立
Project/Area Number |
21500387
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
橋本 憲佳 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (50242524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (50251450)
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Keywords | 血球貪食症候群 / リソソーム病 / ゴーシェ細胞 / 遺伝子改変動物 / 病態モデル / マクロファージ / 赤血球 / 血液疾患 |
Research Abstract |
加齢したAEP欠損マウスの骨髄では,形態を保った成熟赤血球を多数貪食したマクロファージやゴーシェ細胞様に不完全な分解産物を貯留したマクロファージが多数観察される。骨髄細胞からin vitroで分化誘導した培養マクロファージによる赤血球貪食には異常が見られず,末梢血中の赤血球老化についても異常は観察されなかったことから,骨髄における病態形成は,骨髄局所における細胞分化・増殖に起因するものと思われる。マイクロアレイによる骨髄中での遺伝子発現のパスウェイ解析を行ったところ,マクロファージと同じ細胞系譜である破骨細胞の分化シグナルが過剰に入力されている可能性が示唆されたことから,破骨細胞の分化過程で重要な種々のマーカー遺伝子の発現を定量的RT-PCR法により解析した。しかしながら,破骨細胞の分化異常を示唆するような遺伝子発現の結果は観察されず,さらにマイクロCTによる骨密度および骨塩量の測定結果にも異常は見られなかった。一方,パスウェイ解析により間葉系細胞の正の増殖調節因子の発現低下も観察された。骨髄中の赤血球貪食細胞を分離・同定することは困難であることから,汎単球・マクロファージ系の細胞表面マーカーに対する免疫染色により,骨髄中におけるマクロファージ系細胞の細胞動態を,月齢を遡って検索した。その結果,血球貪食病態発生早期において,マーカー陽性細胞数の減少と染色強度の減弱が観察された。骨髄細胞をin vitroで分化誘導したマクロファージや腹腔マクロファージによる赤血球貪食は,AEPを欠損したマウスにおいても骨髄中の病態を十分に説明するものではなかったが,骨髄局所においては,マクロファージの増殖および分化状態に異常があることが示唆された。
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Research Products
(3 results)