2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)感染症モデルマウスのp53機能解析
Project/Area Number |
21500390
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大杉 剛生 Kumamoto University, 生命資源研究支援センター, 准教授 (00211102)
|
Keywords | HTLV-1 / 成人T細胞白血病 / p53 / tax遺伝子 / ATL / マウス |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell leukemia virus type 1 : HTLV-1)は、成人T細胞白血病(Adult T-cell leukemia : ATL)の原因ウイルスである。HTLV-1がコードするTaxがATL発症に重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、Taxを発現するマウスを作製しても白血病を引き起こすことが長年できなかった。我々は、TaxをT細胞特異的に発現させることにより、はじめてマウスに成熟T細胞白血病を引き起こすことに成功した。これらマウスの病態解析において、疾患発症前にすでに、Tax依存性のがん抑制遺伝子p53の機能が低下していることを見出した。本年度は、これらマウスの離乳直後から12カ月齢までのp53機能を追跡した。p53機能は、γ線照射、非照射群のp53標的遺伝子発現量の比較によった。p53機能は、Tax発現マウスおよび通常マウスとも加齢とともに低下したが、Tax発現マウスの方が、各検査,月齢で有意に低かった。12カ月齢では、通常の同月齢マウスの50%以下であった。遺伝的要因を検討するため、C57BL/6、BALB/cおよびDBA/2にバッククロスしたマウスについてp53機能を検索したが、系統間に差はみられなかった。ATLは、平均発症年齢は約60歳であるので、我々の成績から、Taxおよび加齢によるp53機能低下と発がんの関係が強く疑われる。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] Biscoclaurine alkaloid cepharanthine inhibits the growth of primary effusion lymphoma in vitro and in vivo and induces apoptosis via suppression of the NF-kappaB pathway2009
Author(s)
Takahashi-Makise N., Suzu, S., Hiyoshi, M., Ohsugi, T., Katano, H., Umezawa, K., Okada, S.
-
Journal Title
Int J Cancer 125
Pages: 1464-1472
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-