2010 Fiscal Year Annual Research Report
Y染色体コンソミック系統群による量的形質遺伝子座解析
Project/Area Number |
21500393
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
須藤 淳一 独立行政法人農業生物資源研究所, 生殖機構研究ユニット, 主任研究員 (60355740)
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Keywords | Y染色体 / コンソミックマウス / 量的形質 / 関連解析 |
Research Abstract |
17系統のマウス近交系、A,AKR,BALB,C3H,B6,CAST,CBA,CF1,DBA,DDD,DH,KK,RF,RR,SJL,SS,SWRに由来する17種類のYコンソミック系統を普通食餌下で繁殖・維持した。自然交配し、産仔を得る。離乳後、雄産仔3~5匹を1ケージに同居させる。各Yコンソミック系統において、20~30匹程度の個体について、表現型解析を行う。測定データに基づき、各々の形質について、多重比較によりDH系統との間に有意差が存在するか否かの検定を行う。有意差が認められた系統が存在する場合、当該形質の調節に関与する遺伝子がY染色体上に存在すると判断する。DHを除く16系統についてY染色体遺伝子コーディング領域をシークエンスし、SNP型を決定する(昨年度からの継続である)。各多型塩基について、マウス系統は(多くの場合)二群に分類される。両群間で各形質の平均値に差があるか否かの検定を行う。有意差が認められた場合、本遺伝子が当該形質を調節する量的形質遺伝子であると結論する。有意水準はBonferroniの補正により設定する。 表現型項目として、昨年度までに80日齢時体重・精巣重量の測定を完了した。統計解析の結果、精巣重量と有意に関連するSNPを数個同定した(成果は論文投稿中)。本年度は、まず16週齢時に下顎骨サイズおよび形状の測定を行うべく、下顎骨骨格標本作製を開始した。各系統について、20~30匹の下顎骨を解析する。また、♀C57BL/6J-A^yマウスとの交配によりF1を作出する。F1の半分は肥満マウスである。体重(肥満)・体長・血中脂質・血糖値・臓器重量などの形質について、これまでに約300個体のデータを収集した。データ収集が完了次第統計解析を行う予定である。統計的には未検証であるが、予想外であったのは、ある1系統のYコンソミック系統がA^yアリル(アグーチ座に生じた優性の肥満遺伝子)の存在下での肥満発症に抵抗型であった。
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