2009 Fiscal Year Annual Research Report
好塩基球の恒常的欠損マウスおよび誘導型欠損マウスの開発と免疫応答の解析
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21500395
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
松岡 邦枝 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (40291158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 浩志 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90321885)
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Keywords | 好塩基球 / IgE / アレルギー / トランスジェニックマウス / Cre-loxp / ジフテリア毒素 / TRECK法 |
Research Abstract |
近年、好塩基球に注目が集まり、機能解析が急速に進んでいるが、好塩基球の機能を解析する上で好塩基球を特異的に欠損するマウスが存在しないことが障害となっていた。好塩基球の機能解析には好塩基球を欠損するマウスが必須であると考え、これまでに我々はDTレセプター(DTR)を好塩基球特異的に発現するマウスを作製し、DTを投与することによって好塩基球を生体内から誘導的に除去することを可能にした。しかし、好塩基球特異的に働く強いプロモーターが知られていないことから、多量のDTを投与しなければならないという問題点があった。そこで本研究では、これまでに作製した好塩基球欠損マウスの弱点を克服して、より確実に、より効率的に好塩基球を傷害することのできるマウスを樹立することを目的とした。すなわち、好塩基球の機能解析のためにより有用なツールとするため、好塩基球を恒常的に欠損するマウスと誘導的に欠損するマウスをそれぞれ作製する。好塩基球は、FcεRI+CD49b+細胞と表すことができる。そこで、Cre-loxPシステムを用いることにより、FcεRIαおよびCD49bの両方を発現している細胞にのみDTAもしくはDTRを発現するようなトランスジェニック(Tg)マウスを作製する。DTAを発現するマウスは恒常的に好塩基球を欠損し、DTRを発現するマウスはDTの投与により誘導的に好塩基球を欠損するマウスモデルとなる。本年度は、Tgマウスを作出するために、CD49b陽性細胞にCreリコンビナーゼを発現させるための[CD49bプロモーター-Creリコンビナーゼ]およびCre発現細胞でのみDTAあるいはDTRを発現するための[FcεRIαプロモーター-loxP-neo-loxP-DTA(あるいはDTR)]という構造を持つDNA組換体をそれぞれ構築した。今後、これらのDNA組換体をマウス受精卵に導入し、Tgマウスをそれぞれ作製する。
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