2009 Fiscal Year Annual Research Report
腱・靱帯線維芽細胞に対する3次元培養環境下におけるメカニカルストレスの効果
Project/Area Number |
21500399
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
真島 任史 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特任教授 (30241334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢口 直弘 北海道大学, 大学病院, 助教 (80435982)
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Keywords | バイオメカニクス / 腱・靭帯 / 繊維芽細胞 / リモデリング |
Research Abstract |
骨と骨格筋をリンクする腱、そして骨と骨をリンクする靱帯にとって、機械的刺激はその機能を維持するために重要な役割を担っている。しかし、腱・靭帯由来の線維芽細胞に関するメカニカルストレスと細胞機能の関係についての報告は、いずれも2次元の培養環境で単一方向ヘメカニカルストレスを加え評価されたものであり、実際の生体内環境を模倣するには至っていない。生体内の腱・靭帯には3次元の組織に長軸方向のみならず、回転方向にもストレスが加わっている。研究者らは2次元のメカニカルストレスと3次元のメカニカルストレスでは、それぞれに対する細胞応答は異なるという仮説のもと腱・靱帯の線維芽細胞におけるメカニカルストレスの効果を3次元培養環境下で様々な複合的な機械刺激の下で分子生物学的な解明を行い、運動器疾患の治療に結びつけることを目的とし本研究を行っている。本年度は培養器内で使用することを前提にシステムを設計し、3次元ストレッチ装置を作成し器官培養系を確立した。具体的にはキトサン・ヒアルロン酸ハイブリッド繊維に腱由来の線維芽培養を播種し、2週間静地培養したものをコントロールとし、細胞を播種後1週間静地培養の後、1週間メカニカルストレスを加え培養したものと比較検討した。メカニカルストレスは3次元基材を長軸方向に5%のstrainを負荷した群、90°rotationを負荷した群、両方向の負荷を同時に加えた群とした。それぞれ0.5Hzで16時間連続荷重負荷を加え、その後8時間静止させた。このサイクルを1週間継続した。各群における細胞外基質産生能をReal-Time RT-PCR法を用いてCollagen Type I, III, Decolin, Fibromodulin, Biglycanについて検討した結果、コントロールと比較し、両方向同時負荷群ではCollagen Type I, III, FibromodulinのmRNAの発現が有意に高かった(p<0.001)。長軸方向負荷群、回転方向負荷群ではCollagen Type I, IIIの発現が有意に低かった(p<0.05)。
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