2010 Fiscal Year Annual Research Report
低電圧パルス電流による癌細胞増殖抑制メカニズムの研究
Project/Area Number |
21500402
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
松木 範明 岡山理科大学, 工学部, 教授 (90284520)
|
Keywords | アポトーシス / 低電圧電気パルス / エレクトロポレーション / カスパーゼ |
Research Abstract |
低電圧パルスエレクトロポレーションによるアポトーシス誘導メカニズムの解析の一環として、アポトーシスの主要経路であるカスパーゼの酵素活性を測定した。具体的には,アポトーシスの誘導確認に、アネキシンV-7AADを試薬としてフローサイトメトリーを用いた。さらに,カスパーゼ3,7,9に対する蛍光基質を用いて,それぞれの酵素活性をフローサイトメトリーで計測した。その結果、低電圧刺激においては、細胞膜に存在するdeath receptor由来のカスパーゼ7とミトコンドリア由来のカスパーゼ9の両方の酵素活性が約30-50%程上昇していることが分かった。また、これらの酵素活性の上昇はカスパーゼ3に集約され,その影響は長期(24時間以上)に作用することが分かった。一方、画像形態解析としては、電気刺激による細胞内のカルシウム濃度変化の測定を開始し、測定条件もほぼ確定した段階となっている。(アンギオテンシン刺激における細胞内のカルシウム濃度変化の測定は既に終了しており、電気刺激用のディッシュの製作に取りかかっている。) 実験は予定通り順調に推移しており、次年度は電気刺激と細胞内のカルシウム濃度変化およびアポトーシスの関係について研究をする予定である。尚、これまでの実験の具体的成果としては、2010年oncology reports 23巻pp. 1425-1433『Activation of caspases and apoptosis in response to low-voltage electric pulses』として出版された。
|