2009 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性遺伝子発現制御システムの構築と遺伝子治療への利用
Project/Area Number |
21500403
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小川 良平 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 講師 (60334736)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵谷 豪 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (30524243)
趙 慶利 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (90313593)
|
Keywords | プロモーター / 遺伝子発現 / 遺伝子冶療 / マイクロRNA |
Research Abstract |
これまでに構築した放射線応答性人工プロモーターによるin vitroでの治療効果およびin vivoでの評価について検討した。これまでに、HeLa細胞で放射線刺激で活性化するクロン37人工プロモーター(P37)をルシフェラーゼ遺伝子(luc)に結合した断片をレトロウイルスに導入し、組み換え体を構築した。これを感染したHeLa細胞を移植したマウスに放射線を照射することで、lucの発現が有意に増強したが、in vitroと比較してかなり低い値であった。また、前立腺癌細胞で優れた放射線応答性を示すプロモーター(Ppro)についても同様の検討を行ったところ、in vitroと同様に優れた増強活性が認められた。P37下にHSVチミジンキナーゼ遺伝子を導入した遺伝子カセットを構築し、レトロウイルスベクターに導入してin vitroでの発現について現在解析中である。また、細胞毒性の低い5-FCを細胞毒性の高い5-FUに変換する酵素の遺伝子(FF遺伝子)についても、Pproとの組み合わせで同様の検討を行っている。この組み換えウイルスを感染した前立腺癌細胞で、放射線の照射により、FF遺伝子の発現増強を転写レベルおよび翻訳レベルで確認した。現在、in vitroでの治療効果について検討している。 また、遺伝子発現制御を改良するためにマイクロRNA(miR)の発現の利用を検討している。いくつかの癌細胞で、通常の培養状態と放射線の刺激を与えたときのmiR発現の変化について、マイクロアレイおよびリアルタイムPCRで解析を行った。これにより同定した、コピー数が多く、発現変化も大きいいくつかのmiRを候補として、その標的遺伝子のmiRによる発現変化について解析を進めている。miRによる放射線に対する適応応答の可能性を調べると共に、miRを利用した遺伝子発現制御機構の構築につなげていきたい。
|