2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500405
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
根本 鉄 金沢大学, 保健学系, 教授 (90126243)
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Keywords | 深部温度 / 生体リズム / 最適フィット曲線 / 婦人体温計 / 高齢者の看護モニタ / 非加熱深部温度計 |
Research Abstract |
[研究目的]プローブの体表面と外気面の温度差と熱抵抗比から皮下深部温を測定する非加熱型深部体温度計の開発を目的とする。平成23年度は、長時間連続測定を睡眠時に適用し、脳波から求めた睡眠レベルと深部体温の変動から睡眠評価に関する研究を行う。婦人体温計として、入眠時から起床時までの腹部深部温の変動から性周期との関係に関する研究を行う。高齢者の健康管理の指標として、深部体温より生体リズム・睡眠リズムとして高齢者の健康管理指標に関する研究を行う。 [研究成果]入院高齢者の深部体温リズムと睡眠・覚醒リズムの関連性において、深部体温下降期(最適フィット曲線における最大値から最小値への移行期)の睡眠構造の特徴および深部体温上昇期(最適フィット曲線における最小値から最大値への移行期)の睡眠構造について、各睡眠Stageがみられるか否かを検討した。すべての対象者において深部体温の上昇・下降に関係ない一定の睡眠構造がみられた。 婦人体温計として長時間測定の睡眠時の腹部深部体温は早朝に生理周期における高低温の2相性が最もよく現れることを示した。これは、生理周期の低温期と高温期の差は0.3~0.4℃であることから、睡眠中の腹部深部温度値もほぼ同じ差を示した。また、2相性の変動は入眠時刻によるが、変動幅が最も大きくなる時刻は入眠後の4時間経た朝の5:30前後を示した。従来の目覚め時に測る婦人体温計測に比べ、本装置は腹部にプローブを装着するだけで、簡便でかつ高精度で測定できることを認めた。 入院高齢者の体温概日リズムにおいて昼夜間わず不規則に変動する逸脱型があることを明らかにした。女性入院高齢者では深部温が昼夜を問わず不規則に変動し、概日リズムのない逸脱グループがあったことが明らかになった。そのため、概日リズムを整えるためには、まず24時間深部体温をモニタリングし、これらの特性に合ったケアを行うことが重要であると示唆された。
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