2009 Fiscal Year Annual Research Report
生理機能診断に資する超偏極希ガスの生体磁気共鳴計測法の開発と応用
Project/Area Number |
21500408
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 敦臣 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (70303972)
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Keywords | 超偏極キセノン / 生体磁気共鳴計測 / 偏極率 / bSSFP法 / 肺MRI画像 / 換気 / 拡散 / 灌流 |
Research Abstract |
本研究では感度不足という生体磁気共鳴(MRI/MRS)計測に固有の問題を乗り越えるべく連続フロー型超偏極キセノン製造装置を開発し、その応用を試みた。その際、低圧条件下で、即ち0.15気圧で超偏極操作を行うことにより、通常の偏極率(信号強度増強率)よりも4倍程度も向上するとの世界的にも類を見ない知見を得ることができた。この偏極率向上がキセノンと混合する窒素ガスのバッファー効果によってもたらされることを明らかとするとともに、MRIマグネット内に設置したマウスに超偏極キセノンを吸入させ条件を最適化することにより、キセノン/窒素ガス混合比が70:30の場合に最も生体磁気共鳴信号が効率的に増強されることを見出した。この時の、生体磁気共鳴信号の増強率は約10%、即ち1万倍であった。 本研究では、偏極率向上を模索するとともに、MRI撮像手法についても詳細に検討を加えた。超偏極磁化についてはRFパルスによる脱偏極、即ち信号強度の減少という固有の問題が生じるが、これに対して高速撮像法の1種であるbSSFP(balanced Steady State Free Precession)法が有効であることを見出し、従来では不可能であったマウス肺MRI画像取得を実に0.05秒/枚という時間分解能で取得することが可能となった。これにより、呼気位相と吸気位相とを分離して撮像することができるので、にれらの画像をもとに換気率(1回の呼吸でどの程度肺中のガスが入れ替わるかを示す指標)、ガス拡散(ガスが肺胞中と血液中とでどの程度入れ替わるかを示す指標)、および灌流(血流速度)を評価できる手法を開発した。また、この時肺から脳へと移行したキセノンの信号観測も同時に行い、キセノンの脳内動態から脳血流量と緩和時間を評価するための手法の開発も併せて行った。本手法を肺気腫モデルマウスに適用し結果から、新たな生理機能診断法を提案するに至り、その適否の確認を継続して行う予定である。
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Research Products
(2 results)