2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機シリカ粒子技術による革新的マルチモーダルイメージングプローブの開発
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21500409
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 教泰 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10314858)
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Keywords | バイオイメージング / ナノ粒子 / 蛍光 / 磁性体 / MRI / X線CT / 近赤外線 / マルチモーダルイメージング |
Research Abstract |
生体内の分子や細胞を可視化し、生体機能を観察するイメージング技術の発展が期待されている。イメージングにおいて対象物を可視化するためのプローブは極めて重要である。本研究では有機シリカ粒子技術を応用して多様なモダリティーに対応可能なマルチモーダルイメージングプローブ・ナノ粒子の開発を目標とする。開発するプローブはA)近赤外線蛍光、B)X線、C)MRI、D)PETと4つのモダリティを対象とする。本年度は初年度より研究を進めているシングルモーダルプローブ・ナノ粒子の作製研究がさらに発展できた。さらに得られた成果をもとに複数の装置で観察が可能なマルチモーダルイメージングプローブ・ナノ粒子の作製へと展開し成果を得ることができた。作製したマルチモーダルイメージングプローブ・ナノ粒子による動物を用いた実験において有意な所見を得ることができた。 A)近赤外線蛍光を持つナノ粒子を2種類作製に成功していたが、新たにより長波長な近赤外線蛍光を持つ粒子の作製に成功した。作製に成功した粒子を用いてマウス生体内での粒子の蛍光が確認できた。体外からの腸管の蠕動運動の観察などの生体機能の可視化に成功した。また腫瘍を移植したマウスにおいて粒子の集積を確認することができた。 B)X線においては金ナノ粒子を被覆した有機シリカ層に多様な蛍光機能を付加させることにも成功すると共に、ヨード化合物を含有する粒子の作製に成功した。また近赤外線蛍光とのマルチモーダル化に成功した。粒子の生体内での分布の変化をX線CTにて観察することができた。 C)MRIにおいては蛍光観察のための多機能化とT1強調において陽性シグナルを持つ粒子を検討した。酸化鉄を被覆した有機シリカ層に多様な蛍光機能を付加させることにも成功した。マウスを用いた動物実験において蛍光とMRIのT2強調によるマルチモーダル検出が可能であった。T1強調において陽性シグナルを持つ粒子の作製に成功した。作製した粒子を3テスラのMRIにて評価を行ったところ陽性シグナルがin vitroとin vivoで確認できた。さらに蛍光とMRIのT1強調によるマルチモーダル検出が可能であった。MRIのT1強調とT2強調にて検出可能な粒子の作製と蛍光とのマルチモーダル化に成功した。 D)PETにおいては粒子表面に核種を結合させるための多種のキレート剤の検討を進ることができた。粒子表面にてキレート剤の結合並びにその結合機能を示唆する結果が得られた。
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