2011 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピン共鳴計測による皮膚角層の階層的複合構造の画像評価
Project/Area Number |
21500410
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中川 公一 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (00244393)
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Keywords | 生体計測 / 電子スピン共鳴 / 皮膚角層 / ESRイメージング / スピンプローブ / シミュレーション |
Research Abstract |
今年度は、皮膚角層脂質の応用測定と模擬試料を用いたESRイメージングの画像処理法を中心に行った。皮膚角層脂質の応用測定として、尋常性乾癬の角層を市販の一鎖型脂肪酸であるスピンプローブの5-DSA(5-doxylstearic acid)で測定した。得られたESRスペクトルは、最新のシミュレーション法で定量解析した。その結果、コントロールとは全くことなる値が得られ角層構造の異常が示唆された。 この測定と並行して模擬試料を用いたイメージング測定と表面測定用共振器の開発および画像化のデータ処理を試みた。模擬試料にはDPPH(2,2-Diphenyl-1-picrylhydrazyl)を使用した。市販の画像処理ソフトで観測データを2次元(スペクトル-空間)画像にすることができた。これは、学術論文としてアクセプトになっている。 また、新規な皮膚用表面の検出器の開発を行った。検出用の共振器モードはTE111とした。皮膚用共振器は、測定試料を挿入するタイプとは異なるオープン検出方式とした。試作の皮膚用共振器と市販の共振器を改良したTE011モードとで感度の比較を行った。比較は、TEMPOL(4-hydroxy-2,2,6,6-tretramethylpiperidin-1-oxyl)の1mM濃度の水溶液を用いた。その結果、試作の検出器の感度はTE011モード型より0.3程度低かった。皮膚用共振器の特徴は、ピンホールからのマイクロ波の漏れを利用する検出法であり従来型より測定感度は落ちるが、試料の水分やサイズにとらわれず表面部分の測定が可能である。
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Research Products
(12 results)