2009 Fiscal Year Annual Research Report
セルソーターをトータルシステムとして本気でチップ化するには何が必要か?
Project/Area Number |
21500415
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
花尻 達郎 Toyo University, 理工学部, 教授 (30266994)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 智巳 東洋大学, 理工学部, 准教授 (60230819)
水木 徹 東洋大学, 理工学部, 助教 (80408997)
|
Keywords | ゼータ電位 / コールター法 / 電気泳動 / 電気侵透流 / 羊赤血球 / 抗原抗体 / スモルコフスキー / レーザードップラー法 |
Research Abstract |
マイクロ粒子や生体細胞の表面特性は分析化学、薬学および医学上非常に重要な役割を担う。マイクロ粒子や生体細胞の表面電荷特性を解析するもっとも簡単な方法の1つは、ゼータ電位測定である。過去数十年において、数多くのゼータ電位測定技術が開発されてきた。しかしながら、現在の方法は複雑な光学信号解析を行うため、大型で高価な測定装置を必要とし、測定装置の小型化や低価格化が困難である。本研究では、電気泳動法にコールター法を併用する新規ゼータ電位測定法"電気泳動コールター法"を提案し、この問題の解決を試みた。ポリスチレン微粒子のサイズ測定、ポリスチレン微粒子のゼータ電位測定および羊赤血球のサイズとゼータ電位の同時測定の3つの実験を行い電気泳動コールター法の実験的検証を行った。その結果、本手法によるゼータ電位が従来法とほぼ一致することが確認できた。即ち、まず、直径2,3および4μmのポリスチレン微粒子電気泳動のスナップショットとイオン電流変調から、イオン電流変調からマイクロ粒子のサイズの違いを検出できることを確認した。更に、ポリスチレン微粒子によるイオン電流変調のパルス幅Δtから粒子のゼータ電位ζを求めた。その結果、ζ=-29.47±3.89mVとなった。この値はレーザードップラー法で測定した結果ζ=-33.35±2.42mVとほぼ一致した。羊赤血球電気泳動のスナップショットとイオン電流変調から赤血球のサイズとゼータ電位を解析し既存の測定法)で得られた結果と比較した。更に、抗羊赤血球の血清との反応後のゼータ電位を測定した。しかしながら、赤血球などゼータ電位の低い検体では従来法との誤差が大きくなった。この理由を電気浸透流の影響だと予想した。本手法は電気信号解析のみで検体の数、サイズおよびゼータ電位の同時測定が可能であるが、電気浸透流効果の解析と除去が課題だと考えられる。
|
Research Products
(7 results)