2011 Fiscal Year Annual Research Report
セルソーターをトータルシステムとして本気でチップ化するには何が必要か?
Project/Area Number |
21500415
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
花尻 達郎 東洋大学, 理工学部, 教授 (30266944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 智巳 東洋大学, 理工学部, 教授 (60230819)
水木 徹 東洋大学, 理工学部, 助教 (80408997)
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Keywords | ゼータ電位 / コールター法 / 電気泳動 / 電気浸透流 / 赤血球 / 抗原抗体反応 / スモルコフスキー / レーザードップラー法 |
Research Abstract |
ゼータ電位測定法に関しては過去数十年において数多くのが提案され検証されてきたが大型な装置が多く安価かつ簡易な測定はできない。また、個々の粒子のゼータ電位を測定できない。そこで本研究室では電気泳動コールター法(Electrophoretic Coulter Method ; ECM)を独自に提案し、昨年度までは標準粒子としてポリスチレン微粒子を使用し、その有用性を確認してきた。今年度においては、臨床医療応用への第一歩として、赤血球を用いることにより異種の生体細胞に対するECMの有用性の検証を行った。ECMではマイクロチャネル中で、粒子を電気泳動させ、アパーチャー通過時のイオン電流パルスを解析することによって粒子のゼータ電位やサイズを算出することができる。今回、生体細胞として羊と兎の血液から赤血球を遠心分離機により抽出し、希釈にはPBS(Phosphate buffered saline)pH7.4を使用した。この羊と兎の赤血球の混合液において、ECMにより異種の赤血球の判別が可能であるか検討した。その結果、羊の赤血球と兎の赤血球がアパーチャー通過時のイオン電流パルスのパルスの幅と振幅から、粒子個々のゼータ電位とサイズを算出した。ゼータ電位の分布からも、サイズの分布からも、赤血球は2つの集団に明確に分離されていることが分かった。ゼータ電位に関しては既存のゼータ電位計によれば、羊と兎の赤血球に対して、各々-15.14±0.87mV,-7.68±0.47mVであるが、これは前述のゼータ電位の分布とほぼ一致していることから、各々羊と兎の赤血球の集団であることが同定することができた。これより、一般に、異種の生体細胞が混合されていても、ゼータ電位あるいはサイズに差異があれば、ECMによって個々の粒子を正確に判別できる事が示された。
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Research Products
(10 results)