2009 Fiscal Year Annual Research Report
超微粒子プラスミド複合体を用いた腫瘍免疫遺伝子治療システムの構築
Project/Area Number |
21500430
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
小山 義之 Otsuma Women's University, 家政学部, 教授 (00162090)
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Keywords | 遺伝子治療 / 癌免疫治療 / GM-CSF |
Research Abstract |
我々は、ポリアニオンによる保護コーティングで生体成分との非特異的な副作用を低減し、さらに希薄な条件化で得た微小な複合体粒子を、保護コーティングしたのち凍結乾燥濃縮することで、極微小な複合体の安定な濃厚分散液を得ることに成功した。 この技術を用いて免疫賦活化サイトカインGM-CSFの遺伝子をコードしたプラスミドの極微小な複合体を調製し、その生体毒性を調べた。プラスミド量にして0.5mgの各複合体を1日おきに3回、マウスの皮下に投与した。翌日採血して血液スクリーニング検査を行い、生体内における毒性を調べたところ、各血球数、肝機能、腎機能において、ほとんど目立った数値の変化は見られなかった。また、投与後3~5時間の観察において発熱も認められなかった。 マウスを用いた実験で安全性が確認されたので、実際の動物臨床の場で、癌に罹患したイヌに、GM-CSF遺伝子を持つプラスミド複合体を局所内投与、腹腔内投与、または静脈内投与し、治癒効果を調べた。 口腔内にメラノーマを再発したイヌに対して、腫瘍切除後、局所にプラスミド量にして0.5~1mgの製剤を投与したところ、同じ箇所での再発が全く見られなくなった。また、メラノーマが肺転移し、食欲の無くなったイヌに1mgを静脈内投与したところ、一時的に症状が軽減し、食欲が回復した。反復投与後の血清を調べたところ、肝機能、腎機能に異常は認められなかったが、一過性のCRPの上昇が見られた。 その他、リンパ腫、乳腺腫瘍のイヌに対しても、顕著な治癒、延命効果が認められた。
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Research Products
(2 results)