2011 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療用ナノブラシ固定化細胞培養基盤の調製と幹細胞保持並びに培養
Project/Area Number |
21500436
|
Research Institution | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
Principal Investigator |
樋口 亜紺 独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (30189766)
|
Keywords | 再生医療 / 造血幹細胞 / ナノブラシ / 生体適合性材料 / 細胞培養基板 / 機能性高分子 |
Research Abstract |
親水性セグメント-疎水性セグメント-親水性セグメントよりなる三元共重合体は、親水性ドメイン並びに疎水性ドメインを有する温度応答性高分子である。一般に、親疎水性ドメインを有する表面は、単に親水性の表面より生体適合性が優れていることが報告されている。しかしながら、表面基板の縦方向に親疎水性ドメインを有する生体適合性材料は、これまで研究されてこなかった。本申請研究は、様々なセグメント長(分子量)並びに様々な親疎水性量比を有する親疎水三元共重合体(プルロニック)を表面反応により細胞培養基板上に固定化することにより、ナノブラシ状親疎水三元共重合体固定化細胞培養基板(ナノブラシ固定化細胞培養基板)を調製した。いかなる分子設計の親疎水三元共重合体を用いてナノブラシ固定化細胞培養基板を調製するのが、造血幹細胞の保持・培養に適しているかを検討することが本申請研究の第1の目的とした。親疎水三元共重合体の温度応答性を利用して、ナノブラシ固定化細胞培養基板上に培養した細胞の剥離操作に、従来のトリプシン処理ではなく、細胞培養基板温度を低温にさせるのみで細胞剥離を効率良く行うことの実証と細胞剥離のための最適なナノブラシ固定化細胞培養基板の調製を第2の目的とした。親水性部位が70%有し、分子量が1万の三元共重合体を適度な密度で固定化させた基板上において、最も造血幹細胞の保持・培養に優れていた。高密度のナノブラシ固定化細胞培養基板上での造血幹細胞の保持・培養は、適しておらず、最適なナノブラシ固定化密度の存在が本研究で明らかとなった。
|