2011 Fiscal Year Annual Research Report
高周波微細血流イメージによる肝癌抗血管新生療法のモニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
21500437
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
鈴木 康秋 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60360989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 孝明 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10359490)
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Keywords | 高周波微細血流イメージ / living vascular monitoring system / 肝癌 / 超音波造影剤 / 抗血管新生療法 |
Research Abstract |
近年、肝癌に対する分子標的療法(抗血管新生療法)が注目されているが、満足な成績は得られておらず、血管新生阻害剤と抗癌剤併用の必要性が論じられている。最近、抗血管新生療法として、腫瘍血管を「壊す」のではなく「正常化」するという新たな概念"vascular normalization"が提唱され、この「腫瘍血管の正常化」の時に抗癌剤を投与する相乗的併用治療が有効と考えられる。しかし、血管新生阻害剤により腫瘍血管が正常化したタイミングをリアルタイムに捉えるのは困難であり、生体において非侵襲的に腫瘍血管構築の変化をモニタリングする"living vascular monitoring system"の実用化が望まれている。近年、超音波技術の進歩は著しく、超音波造影剤と高周波プローブを用い微細な血流イメージを評価することが可能となったため、高周波微細血流イメージによるvascular monitoringの基礎的研究をおこなった。これまで、DEN誘発化学肝発癌マウスの腫瘍血管構築を高周波微細血流イメージで解析したが、H23年度は肝癌より腫瘍血管が未発達である培養膵癌細胞株を皮下移植した担癌マウスを非"vascular normalization"群として、同様に解析をした。肝癌マウスでは、Micro Flow Imagingにてvascular patternが多く、Parametric Imaging解析にて流速の速い腫瘍血管を多く認めたが、膵癌マウスはMicro Flow Imagingにてdead wood patternかreticular patternが多く、Parametric Imaging解析にて流速の遅い血管を多く認めた。これらの結果より、高周波微細血流イメージによる"living vascular monitoring system"の臨床応用の可能性が示唆された。
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