2009 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍の低侵襲温熱治療のための深部温度計測・加熱システムの研究
Project/Area Number |
21500438
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
水戸部 一孝 秋田大学, 工学資源学研究科, 准教授 (60282159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 元 秋田大学, 医学部, 講師 (20323149)
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Keywords | ハイパーサーミア / 悪性腫瘍 / 非侵襲 / ワイヤレス温度計測 / 誘導加熱 |
Research Abstract |
平成21年度は低侵襲的温熱治療システムを試作すると共に,生体に無害な非磁性金属微粒子を選定した.誘導加熱において渦電流損は周波数の二乗に比例して増加するため,印加磁束密度の周波数を上げることで加熱効率は向上する.しかしながら,既存電源設備では640Hzが限界であり,体内に埋め込む予定の感温磁性体や金属微粒子を発熱させるには不十分であった.そこで,188kHz,600Aのコイル電流を印加可能な高周波電流源を導入することで,印加磁束の周波数および磁束密度の向上を図り,発熱効率の向上と磁束ベクトル計測ユニットの計測可能距離の拡大を試みた.さらに,電磁界シミュレーション(ANSYS)を実施し,感温磁性体の透磁率の変化を検知するために最適なドライブコイルおよびピックアップコイルの配置を検討した.一方,感温磁性体の透磁率により曲げられる磁束の微弱な変化分を同期計測するために250kHzまで計測可能なDSPロックインアンプを新規に導入した.ロックインアンプおよび光ファイバー温度計はコンピュータに接続して自動計測しており,そのために必要なプログラムをLabViewを用いて新たに開発した.平成21年度後半は,感温磁性体微粒子と一緒に患部に注射するための生体に無害な誘導加熱に適した非磁性材料の選定に取り組み,数十kHz,20mT程度の誘導磁場に対する各種金属粉体(微粒子)の発熱特性を調べ,最適な発熱体を物理実験により選定した.本研究を進める過程で,感温磁性体を金属でコーティングするという着想を得,製造プロセスを確立すると共に,単位体積あたりの発熱効率の飛躍的な向上に成功した.
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Research Products
(10 results)