2009 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品製造に関わるソフトウェアの統合的なコンピュータ・バリデーション手法の研究
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21500439
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高橋 正和 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20403446)
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Keywords | GAMP5 / 予測的コンピュータ化システムバリデーション / 回顧的コンピュータ化システムバリデーション / 設計情報トレーサビリティ / 故障モード影響解析 / バリデーション作業の効率化 |
Research Abstract |
本研究では,医薬品製造に関わるコンピュータ化システム(CS)の機能と性能が適切であることを立証するコンピュータ化システムバリデーション(CSV)の方法について研究し,最終的にはCSV実施支援環境を構築する。平成21年度は1.CSV実施手順の検討,2.CSV関連文書の雛形の作成,3.CSV実施支援環境で使用するデータベース(DB)の設計を実施した。さらに,2008年発行のCSV標準GAMP5で提言された4.故障モード影響解析を用いたCSのリスクマネジメント方法の検討を実施した。 1.では,CSV対象を通常のコンピュータ(PC)とプログラマブル・ロジック・コントローラに分類し,夫々について予測的CSV(これから開発するCSの機能と性能の適切さを立証する場合のCSV)と回顧的CSV(開発済みで稼働中のCSの機能と性能の適切さを立証する場合のCSV)の実施手順を検討して規定した。 2.では,PCの予測的CSV,PCの回顧的CSV,PLCの予測的CSV,PLCの回顧的CSVで作成されるべき開発文書を明らかにし,さらにそれらの記述項目と記述内容を規定した。併せて,CSの設計情報から記述内容を作成するための手順を提案した。 3.では,2.の研究の成果をもとに,開発文書で記述された設計と検証の情報を一元的に管理するDBの設計と試作を行った。1.~3.の成果を組み合わせることで,CSVの作業を約25%効率化できるようにした。さらに,設計と検証の情報のトレーサビリティを確保できるようにした。 4では,CSの設計結果からエラーの発生要因を見つけだし,設計を改善するために用いる手法を検討した。既存のCSに対してFMEAを適用して,CSの標準的な故障モード,システムへの影響(故障),故障の対策からなる故障対策リストを作成した。これを用いてCSの設計改善をすることで,エラーによって医薬品の品質へ悪影響を与える等のリスクを低減できるようにした。
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