2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500445
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 信寛 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80284115)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光石 衛 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90183110)
杉田 直彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372406)
|
Keywords | 関節構成体 / 再生医療 |
Research Abstract |
【背景】 近年、軟骨損傷に対し、鏡視下骨穿孔術(骨髄細胞誘導)、骨軟骨移植術、再生軟骨移植術などの治療方法が報告されているが、現状では臨床上満足できる成績が得られていない。これらの治療法の有用性を詳細に検討するために、変性軟骨の程度および、再生軟骨の評価法自体の研究が行われている。我々は、関節軟骨評価を目的としたディスポーザルな粘弾性測定システムを開発し、その基礎実験ならびに、関節軟骨評価を行った。 【方法】 変形性膝関節症患者の人工膝関節置換術時に関節軟骨を採取し、本システムを用いて軟骨の肉眼的健常部と変性部のバネ定数を測定した。関節軟骨は大腿骨遠位面、後顆部、脛骨近位面を用いた。また、測定した軟骨をサフラニン0染色し、バネ定数と組織学的軟骨変性との関係を調査した。 【結果】 ヒト関節軟骨を用いてバネ定数を測定した結果、大腿骨遠位面・脛骨近位面でバネ定数が減少し、間接軟骨の評価が可能であったが、大腿骨後顆部では変性部でバネ定数が増加した。この原因として、大腿骨後顆部は遠位面に比較して曲率が大きいため、プローベが不安定になる可能性が考えられた。また、大腿骨遠位面・脛骨近位面での組織学的評価とバネ定数にも相関を認めた。 【考察】 関節軟骨は湿重量の80%が水分で、プロテオグリカンが水分子を引き込んで膨張し、その膨張圧をコラーゲン繊維網が押さえこんでいる。そして、初期の関節症軟骨では、superficial layerの含水量が増加することが報告されており、含水量の変化を測定できる本システムは初期の関節症性変化をとらえるための有用なツールの一つであると考えられる。
|
Research Products
(3 results)