2010 Fiscal Year Annual Research Report
複数の超音波パラメータを用いた皮膚疾患診断法の開発
Project/Area Number |
21500451
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
藤井 康友 自治医科大学, 医学部, 講師 (00337338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 昌純 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 教授 (40191564)
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Keywords | 超音波 / 皮膚 / 音響インピーダンス |
Research Abstract |
皮膚は「内臓の鏡」呼ばれ、皮膚疾患に限らず多く内科疾患にて種々の皮疹を呈することから、プライマリーケアにおいて皮疹の詳細な評価は重要である。一方で様々な診断機器が発達した今日において、皮疹の評価は熟練した皮膚科専門医においてのみなされているのが現状であり、有用なmodalityの報告はきわめて少ない。本研究の目的は超音波干渉法を用いた音響インピーダンス差分イメージングシステムを皮膚に応用し、皮疹の凹凸や硬さを客観的に評価する手法を開発することである。昨年は皮膚の凹凸を反映する画像を得られる事を示した.今年度,皮膚の物性変化を反映する画像が得られるか確認するために火傷皮膚の画像化を行った.皮膚の超音波画像化に用いた超音波干渉法の原理は文献1に譲る.試料の表面との距離(凹凸)と試料の音響インピーダンスの大きさに応じて変化する干渉波を計測し,画像化することができる.音響インピーダンスは密度と音速の積であるため,皮膚の表面の凹凸模様と音響物性を反映する画像の取得が期待できる.皮膚の物性変化を確認するために試料と石英棒の間に厚さ200μmのアクリルを挿入した.これは皮膚の物性変化の画像を得るために試料の凹凸の影響をできるだけ小さくする目的がある.それに加え,音響インピーダンスの差の関係から従来の試料と音響カプラの境界からの反射に対し,試料とアクリルの境界からの反射とし、反射波を大きくした.また,アクリルと音響カプラとの反射を抑えるために整合層の役割を果たす厚さ50μmのポリエチレンを挿入した.豚の皮膚を火傷の有無でそれぞれ画像化を行った,火傷を加える前後で得られた4mm四方の画像を比較すると、火傷部分のみが明らかに異なる像を呈していた.超音波干渉法による火傷皮膚の音響インピーダンス画像化を目的とし,今回実験を行った.その結果,火傷部分を反映する画像が得られた.文献1:吉澤昌純、守屋 正.生体骨用反射型インピーダンス計測法.超音波TECHNO,2006.9-10,pp48.51.
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