2009 Fiscal Year Annual Research Report
NIRSのためのシースルー型脳立体観察ディスプレイを用いた微小な脳賦活の研究
Project/Area Number |
21500459
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
栗本 育三郎 Kisarazu National College of Technology, 情報工学科, 教授 (00195562)
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Keywords | NIRS / 脳賦活 / 脳形態 / 脳血流 / 脳立体視 |
Research Abstract |
本研究の目的は,脳機能計測における近赤外分光法(Near Infrared Spectoroscopy以下NIRSと略す.)において,既に申請者が開発しているシースルー型脳立体観察ディスプレイを用いて計測部位位置精度向上の評価実験を行い,微小な脳賦活を検出することにある.具体的には,計算タスク,特に繰り下がりの有無などの違いによる引き算タスク等において,既に開発しているシースルー型脳立体観察ディスプレイにより,プローブ位置決めし,NIRS時系列信号処理を実施し,計算と数の認知などの微小な脳賦活とタスク変化による脳賦活部位との関係を探る.これらの基礎データの解析結果より,高次脳機能障害における診断,リハビリ治療,神経難病患者等へのコミュニケーション支援システムなどの分野にこれらの技術が有効活用が期待できる.平成21年度の研究成果を以下に示す. ◆シースルー型脳立体観察ディスプレイを用いたMRIによる脳形態計測の評価 プロトタイプの「シースルー型脳立体観察ディスプレイ」を購入予定の3Dプリンターにて出力し,製作した.また,被験者のMRIによる脳の形態計測から脳の立体形態情報を購入した3Dプリンターにて出力し,脳部位と位置決めについての評価を行う「脳位置情報入出力マスター・スレーブシステム」を構築した.これにより,当該研究のシースルー型脳立体観察ディスプレイの複数台製作や,脳の位置情報における立体形態観察モデル製作が可能となった. ◆聴覚の選択的注意におけるNIRS時系列信号の分散プロット法による解析と評価 光路長由来の部位間・被験者間相互比較問題の改善策としての光路長の影響を消去できる自己相関解析法により,大脳皮質血流とタスクとの関連性が自己相似性を示す「べき則」(遅れ時間τの絶対値マイナスα乗)となることを明らかにした.その時系列特性を抽出するために標本平均の分散を求める分散プロット法をNIRS時系列信号解析に適用し,聴覚の選択的注意における音楽集中・講演集中時の脳賦活との関連性を解析した.さらに10例の被験者による従来法と提案手法を比較して,提案手法の有効性を検証した.
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Research Products
(11 results)