2010 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎疾患における腎臓リハビリテーションの有効性の機序解明
Project/Area Number |
21500463
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金澤 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60282050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
伊藤 修 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00361072)
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Keywords | リハビリテーション / 循環器・高血圧 / 腎臓 / 動物 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
慢性腎不全において、適切な運動は腎保護、運動耐容能の改善など好影響をもたらすことが示唆されている。しかし、その効果はなお完壁なものではなく、効果を増強させる治療法が待たれている。解糖系から産生されるカルボニル物質のMethylglyoxal(MGO)は慢性腎臓病において血中濃度が上昇し病態進展に関わることから、慢性腎不全に対する運動とアンジオテンシン受容体拮抗薬olmesartanの効果にカルボニルストレスの関与があるかを検討した。7週齢のWistar-Kyotoラットを用いて、5/6腎摘除慢性腎不全モデルを作成し、12週間長期運動(EX)とolmesartanの単独もしくは併用時の糸球体硬化指数(IGS)を検討した。運動はラット用トレッドミル装置を用い、速度20m/minの走行運動を1日1回60分間、1週間に5日間行った。olmesartanは10mg/kg/日の用量で浸透圧ミニポンプを用いて持続投与した。IGSはEXの単独投与により低下したが、olmesartanとの併用はさらに低下した。また、全てのラットデータにおいて血漿MGO濃度は腎障害指標であるIGS、尿蛋白排泄量,及び血清クリアチニン値との間にそれぞれ有意な相関を認めた。以上の結果より5/6腎摘除腎不全モデルにおいてEXは腎保護効果を有するが、olmesartanとの併用により増強した。運動およびolmesartanによる腎保護効果にカルボニルストレスの減少を介した機序の関与が示唆された。
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