2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症を有する人と家族のセルフスティグマの関連性の分析
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21500474
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 悟郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00253691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 保之 西九州大学, リハビリテーション学部, 特命教授 (50108304)
稲富 宏之 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10295107)
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Keywords | 統合失調症 / 家族 / 介護負担感 / セルフスティグマ |
Research Abstract |
背景・目的:欧米諸国では地域基盤の精神保健サービスへの移行に伴い統合失調症を抱える患者の家族の介護負担感について研究が盛んになされてきた。しかしながら日本や韓国といった社会文化的背景を持つ家族については何ら検討されてなかった。そこで北東アジア地域の家族の介護経験に影響を及ぼす社会文化的要因の共通点と相違点を明らかにするために、統合失調症を抱える患者の家族の介護負担感と対処行動について日韓で比較を行った。方法:統合失調症を抱える患者の家族、日本(長崎)99人と韓国(ソウル、テグ)92人を対象に介護負担感(Zarit Caregiver Burden Interview 8項目版)、対処行動(Family Coping Questionnaire 23項目版)、介護役割意識(東京都老人総合研究所版)を評価した。結果:患者の平均年齢は日本38.5歳、韓国35.8歳、性別は両国ともに男性が7割であった。家族の平均年齢は日本65歳、韓国59.7歳で続柄では母親が日本71.7%、韓国58.7%であった。介護負担感と対処行動は両国間で有意差は認められなかった。しかし、介護役割意識は韓国より日本が有意に高かった。両国ともに介護負担感は、患者の社会的機能や介護ニーズとの間および社会的関心の乏しさ、威圧、回避、あきらめといった対処行動や介護役割意識との間に有意な関連が認められた。結論:統合失調症を抱える家族の介護役割意識は日韓両国で相違が見られたが、介護負担感に影響を及ぼす要因は類似の傾向が示唆された。日韓両国ともに家族の介護負担感を軽減するための効果的な支援を検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)