2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域リハビリテーションによるCOPD地域連携モデルの構築
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21500475
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
千住 秀明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30179361)
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Keywords | リハビリテーション / 地域医療 / 病診療連携 / COPD |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、2020年には世界の死亡原因の第3位、わが国では第4位なると推定されているが、本疾患は予防と治療が可能な病気であることが明らかになってきた。 本研究の目的は、県の保健所が中心となった行政、医師会、地域中核(基幹)病院、大学など既存の医療インフラと地域リハビリテーションを活用したCOPDの予防と治療のための「COPD地域連携システムの構築」である。長崎県県北保健所にCOPD対策委員会を設けて、COPDの実態把握、住民の健康管理、医療体制作り、医療スタッフの育成、COPDの普及啓発活動を行った。COPDの実態把握のために松浦市在住の50歳以上の住民8,872人(5,562世帯)を対象にCOPDスクリーニング調査を行った。その結果、COPD疑いは10.1%、専門医による確定診断め結果7.4%がCOPDであった。また、COPDは女性(0.4%)より男性(15.7男)が、喫煙指数が多いほど、年代が高くなるほど有病率が高いことを明らかにした。この調査と同時に県北保健所管内の医療機関を(1)COPD診断ができる医療機関、(2)呼吸リハビリテーションができる医療機関、(3)入院対応ができる医療機関、(4)保険適応による禁煙指導ができる医療機関に分類したCOPD医療体制を構築した。その結果、各医療機関でCOPD調査票に記入し、医師の診断を受けた者の内、約30%のCOPD疑い者を早期発見、早期介入が実施できた。また、COPD確定診断者に定期的な地域リハビリテーションを実施し、COPDの進行の程度を1秒量から検討した結果、年間変化量は-22,2±49,8ml/年と加齢に伴う低下の範囲であった。さらに、長崎県総医療費にCOPD医療費の占める割合が県全体に比べ松浦市が著しく低値であり医療費抑制効果も認められた。
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Research Products
(23 results)