2009 Fiscal Year Annual Research Report
ディサースリア音声の可視化と定量化による音声診断・構音訓練システムの開発研究
Project/Area Number |
21500476
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上田 裕市 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00141961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 聡 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (80336205)
平原 成浩 鹿児島大学, 医学部・歯学部・附属病院, 講師 (70218808)
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Keywords | 音声工学 / 医療・福祉 / リハビリテーション / 構音障碍 / 発話 / 可視化手法 / 音声情報処理 |
Research Abstract |
本研究の主テーマである障碍音声分析とその可視化表現による診断と訓練において、まず音声分析手法である逆フィルタ制御法によるホルマント推定方式の総合的評価を行い論文発表を行った。音声可視化のうち、本年度は主に母音発声とその色彩表現に力点を置いた。研究協力先の鹿児島大学附属病院では顎変形症患者の母音音声の色彩表示について検討し、日本口腔科学会においてポスター発表を行った(発表者の新中須が優秀ポスター賞を受賞)。また、顎変形症の術前術後の母音色彩の違いから術後の顎可動性の改善が確認された。なお、多数の健常音声試料を用いて、母音色彩の視覚的評価や構音状態との関連について詳細な検討を行い、電子情報通信学会研究会において発表した。子音を含む音声として構音構音障碍検査語50語の障碍音声分析を行い、複合音声パラメータ群を用いたDPマッチング距離ベースの定量化を行い、音声歪みの聴覚的評価との比較の結果、口蓋裂患者や顎変形患者音声において聴覚評価と定量的評価の間に相関を見出した(大学院生による研究発表を行った)。単語ベースの音声歪みで定量化とその評価が確認されたことで、次の段階として音素ベースでの定量化と聴覚的歪みの関連量について検証していく必要がある。システム構築として、多数の患者音声を効率的に録音編集するためのツールを作成したほか、簡易な音声可視化ツールを構築して障碍音声の可視化を可能とした。また、診断ツールのパイロットシステムとして50検査語音声から音素ベースの定量的データを自動算出して表示するシステムを構築中であり、本システムにより、個々の患者の症例に特徴的な音素歪みとその存在箇所を特定できる可能性がある。22年度の研究においてこの子音音素のテーマを主体的に進めていく。
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Research Products
(6 results)