2011 Fiscal Year Annual Research Report
ディサースリア音声の可視化と定量化による音声診断・構音訓練システムの開発研究
Project/Area Number |
21500476
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上田 裕市 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00141961)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 聡 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (80336205)
|
Keywords | 構音障碍 / 音声可視化 / 音声診断 / 発声リハビリ / 音声分析 / ホルマント周波数 / 発話 |
Research Abstract |
本年度は,主に顎変形症患者の術前後の母音歪みの定量的評価を行い,その視覚的呈示様式の検討と新たな母音バランス指標に基づく異常性判定法の提案を行った(講演発表~数件).この母音評価機能と昨年度までの成果である音声画像化や子音・検査語歪み評価機能を含めた機能を整理統合してコンピュータベースの音声診断支援ツールを試作した.本ツールの性能に関して,多数データによる定量的評価までには至っていないが,構音患者毎の検査語(50単語)の音声データベース構築とその特徴抽出に基づく発語音声群の可視化,母音歪みと子音歪みの統計処理とグラフ表示,サウンド出力による試聴などの機能を利用することで,音声・構音障碍の診断支援に供することができると考えられる(年度末の研究会にて総括発表).現場での利用においては,種々の障碍音声についての定量的評価を行い,データの蓄積が必要である.一方,発声訓練の面からは,母音発声訓練のために昨年度提案した正規化構音空間(hv空間)を合成に利用する方式を開発した(感覚代行シンポにて発表).本方式によれば,術前後の少数個の患者音声サンプルから話者特徴を自動抽出し,任意の構音状態で発声されたの自身の母音発声を模擬することが可能である.この機能を利用することで,術前の母音構音検査や術後の発語リハビリ,特に母音構音法の習得に利用できると考えている.この実用化のためには,臨床現場での試用・評価のフェーズが残されている.当初計画では,開発した診断ツールや発声リハビリツールをサーバ・クライアントベースのインターネット上で利用する計画であったが,サーバ機能構築の遅れにより現段階では実現に至っていない.このため,研究期間後の対応ではあるが,WEBベースシステム化を進める予定である.
|
Research Products
(8 results)