2011 Fiscal Year Annual Research Report
手段的日常生活活動の遂行能力と参加を高める訪問リハビリテーションの介入方法の開発
Project/Area Number |
21500481
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
齋藤 さわ子 茨城県立医療大学, 保健医療学部・作業療法学科, 教授 (70315688)
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Keywords | IADL / リハビリテーション / 活動遂行練習 / 高齢者 / 作業 |
Research Abstract |
平成23年度は、身体制限を伴う高齢成人(60~80歳)を対象に下記の研究疑問を明らかにするためデータ収集を昨年度に引き続き行った。軽度介助が必要である手段的日常生活活動(以下IADL)領域の、 (1)ある活動を療法士と共に3回の遂行練習を繰り返してした場合、IADL能力、遂行有能感、新たな遂行方法の受け入れ、実際に生活で遂行しようとする意志、にどのような変化があるか。あるとすれば、変化を得るのに繰り返し練習は何回程度必要か。 (2)異なる様々な活動を対象者が療法士と共に3回の遂行経験を積むと、IADL能力、遂行有能感、実際に生活で遂行しようとする意志、に変化はあるか。 上記の研究疑問ごとに対象者をランダムに群分けを行い、昨年度に引き続き各群12名づつ、合計24名のデータ収集を行った。これで、昨年度のデータを合わせると、各群18名のデータ収集が終了した。現時点で各群10名分のデータ分析が終了しており、分析の途中経過としての結果は、以下の通りであった。(1)群では、3回練習した活動の遂行能力は統計的に有意に向上するが、練習していない活動の遂行能力は統計的に有意に向上していなかった。(2)群では練習後も有意に活動遂行能力が向上していなかった。 現時点での各群10名の分析結果からは、40分3回程度の練習では、ある特定の活動の遂行能力を向上させることはできるが、全般的IADLな能力を向上させることは、いずれの方法ともできないことが示唆された。しかし、両群共に、統計的に有意な全般的IADL能力の向上はなかったものの、素点では、向上傾向にあるために、今後人数を増やして分析することで、異なる結果が出る可能性も残されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災の影響もあり対象者宅でのデータ収集で予定していた人からのキャンセルが出た。また、評価者として予定していた研究協力者が-身上の都合により、協力できなくなり、代わりの協力者を立てる必要性が生じたためやや遅れた。代わりの評価者をたて、自宅でできない場合にも自宅に相当する場所での活動の遂行のデータ収集に切り替え対応し、予定人数に近い人数のデータ収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、データ分析と研究成果発表の予定をたてていたが、平成24年度も予定されていた人数のデータ収集を継続することで、当初予定していた人数を確保し、研究目的の示唆を得る。その際、引き続き可能な限り自宅でのデータ数を増やすことに努めるとともに、研究対象者の都合で自宅でのデータ収集ができない場合には、その分を自宅に相当する場所(日常生活活動を遂行するにふさわしい十分な設備や道具・材料がそろっている場所)での活動遂行のデータ収集も行い、可能な限りデータ数を増やし、より高い研究成果を目指す。
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