2009 Fiscal Year Annual Research Report
舌の高次感覚・運動障害に対する新しい評価・治療法の開発
Project/Area Number |
21500487
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
河岸 重則 Kyushu Dental College, 歯学部, 准教授 (20137334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30325782)
吉野 賢一 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (90201029)
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Keywords | 摂食 / 嚥下 / リハビリ / 舌 / 感覚 / 運動 |
Research Abstract |
我々はこれまでテストピース(TP)を用いた舌の立体認知能の評価やその臨床応用について報告してきた。今年度の主な成果は以下の通りである。1.健常な高齢者を対象に3ヶ月間、月に2回健康教室を開催し、専門的口腔ケアに関する指導を行い、指導開始前と3ヶ月終了後の口腔機能(舌の立体認知能、反復唾液嚥下、咬合力、咀嚼力、唾液の性状)を比較した。舌の立体認知能検査は6種類のTPを用いて行った。被験者14名のうち6名は開始前、6種類全てを正答し、3ヵ月後もそれが維持されていた。開始前にいくつか誤って回答した被験者9名については、7名は正答率が上昇し、2名は低下していた。舌の立体認知能以外の機能には変化は見られなかった。2.脳卒中入院患者10名についてTPで評価した舌の立体認知能と嚥下造影検査で評価した嚥下能力の相関を調べたところ、有意な正の相関を認められた。特に口腔立体認知能は脳卒中摂食・嚥下障害患者の口腔相の機能を反映する可能性があることが示された。3.健常成人38名を対象にTPの形状弁別課題施行時の脳血流量を近赤外光イメージング装置(NIRStation OMM-3000,島津製作所製)で測定した。記録部位は前頭前野を含む前頭皮質領域で、45チャンネル(Ch)にて酸素化ヘモグロビン量(Oxy-Hb)の変化を分析した。38名中37名にて形状弁別課題遂行中に45Ch中のいずれかのChでOxy-Hbの増加が認められ、そのうち23名は50%(23個)以上のChで増加していた。一方、Oxy-Hbの増加を認めた37名のうち34名にてOxy-Hbの減少したChを認めた。5名では50%以上のChでOxy-Hbの減少がみられた。
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Research Products
(3 results)