2010 Fiscal Year Annual Research Report
自食時の捕食機能に関与している口唇および上肢機能の解明
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21500488
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
神作 一実 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (90515818)
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Keywords | リハビリテーション / 摂食・嚥下リハビリテーション / 捕食 / 発達障害 |
Research Abstract |
2010年度は、3年間にわたる研究の2年目である 2009年度に構築しだ、自食時の捕食動態に関する計測システムを利用し、成人知的障害者における自食時の捕食状況について研究を行った。なお、計測システムは2つのサブシステムからなる。スプーンの計測システムは、スプーンに口唇圧センサーとスプーンのひずみを計測するためのセンサーをつけ、データ処理用ソフトエアーを使用して解析を行なった。また,上肢動作を計測するためのサブシステムは、3次元動作解析装置を用いて、捕食に関連する上肢動作およびスプーンの動態を計測した。 2010年度の対象は、研究に関して研究者から十分な説明を受け、保護者からの文書での同意の得られた成人知的障害者5名(いずれも20歳代)である。障害の程度は重度から中等度の知的障害を有する。 実験め結果、成人知的障害者では、捕食動態に個人差が大きいことが明らかとなった。捕食時の口唇圧および捕食の際に口唇および上肢の操作によって生じるスプーンの歪みの波形は振幅幅にばらつきが大ぎく、捕食動作にスムーズさに欠けることが多いという結果が示された。また、動作解析からも、上肢動作が健常成人に比較して大きいことが示された。(本研究の内容については平成23年度中の学会にて発表予定)本研究では、臨床実践の場面でしばしば観察される捕食機能不全の原因の一部について解明することができた。捕食機能を構成している要因のうち、口唇機能と上肢機能の相互作用が解明されることにより、自食時の捕食機能改善のための治療プログラムの根拠が得られた。 平成23年度は発達途上である、乳幼児の自食時の捕食について研究を行い、口唇機能と上肢機能の発達的変化について明らかにする予定である。
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Research Products
(4 results)