2009 Fiscal Year Annual Research Report
構音の視覚的フィードバック訓練に用いる人工口蓋床の開発と臨床連携システムの構築
Project/Area Number |
21500496
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
藤原 百合 Seirei Christopher University, リハビリテーション学部, 教授 (40346515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 賢一 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (00387507)
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Keywords | 言語聴覚療法学 / 構音障害 / 視覚的フィードバック訓練 |
Research Abstract |
構音障害に対する訓練法としては、従来聴覚刺激法や構音点位置付け法などが用いられてきたが、従来の訓練法で改善しにくい人や聴覚障害のある人に対して、エレクトロパラトグラフ(EPG)を用いた視覚的フィードバック訓練が効果的であることが分かってきた。EPGは微細な電極を埋め込んだ人工口蓋床を口蓋に装着して、発話時の舌と口蓋の接触を経時的に表示・測定する装置である。人工口蓋床の製作工程は、各々の上顎石膏模型を採取し、上顎歯列の頬舌・前後幅径を計測して解剖学的に定められた位置に62個の電極を手作業で配置するなど、技術と時間を要する。そこでEPGの臨床応用を拡大するために、次の2項目の目標を立てた。 1.製作が簡便で信頼性が高く、より低価格なEPG人工口蓋床の開発 2.EPGの臨床応用に関する多施設間連携システムの構築 1.については、様々な年齢の口蓋の形態を分析し電極間の幅を計測した結果、2.0~7.0mmまでの12種類で対応できることがわかった。ベースプレートをバキュームフォームにし、手置き電極を12種類のフレキシブル基盤にする改良で、従来6時間以上かかっていた作成時間を3時間以内に短縮できた。今年度は、各電極からのエナメル線をEPGシステムに接続するマルチプレクサー(回線多重化装置)を、より簡便かつ確実に接合できるよう設計・開発を行う予定である。 2.については、2010年3月に第1回EPGワークショップを開催して、EPGシステムの基本的な操作やEPGデータの収集方法について情報交換をおこなった。今年度は第2回EPGワークショップを計画し、施設間を電子ネットワークでリンクし、個人情報保護の観点も踏まえたEPGデータ送受信システムを立ち上げ、データベース構築のための準備を進める。
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Research Products
(4 results)