2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中片麻痺上肢に対する経頭蓋直流刺激下ロボット補助訓練の効果
Project/Area Number |
21500504
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20269070)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
|
Keywords | リハビリテーション医学 / ロボティックス |
Research Abstract |
脳の可塑性が見直された今日、脳卒中片麻痺上肢の機能障害に対する直接的なアプローチが検討され、ロボット技術を用いた上肢の訓練機器の開発が進んでいる。その上肢ロボット訓練機器のうち、高強度の両上肢の反復動作訓練を可能にしたアームトレーナー(AT)がある。一方、経頭蓋磁気刺激や経頭蓋直流電気刺激(t DCS)による障害大脳半球に対する直接賦活効果も注目されている。これらの療法を組み合わせることで、訓練効果をより増強させ、慢性期であっても片麻痺上肢の機能回復が期待されているが、臨床での研究が進んでいない状況にある。 本研究では、脳卒中片麻痺上肢に対するt DCSおよびATとを組み合わせた複合訓練を実施し、その特異的訓練効果を明らかにすることを目的としている。亜急性期・回復期・維持期の脳卒中片麻痺患者を対象に、治療介入効果を検討する。その際、t DCSの極性の違いによる刺激効果の程度についても検討する。 平成23年度は、「t DCS+AT複合訓練」を実施した18名の対象者を引き続き追跡し、短期効果だけでなく長期効果についても検討した。その結果、anodal tDCS+ATおよびcathodaltDCS+ATにおいて、治療介入前後で運動機能および痙性の有意な改善を認めた。さらに、二次解析では、遠位部の痙性に関して、右大脳半球障害例でtDCSの極性による効果の違いがみられ、改善には健常側である左大脳半球(優位半球)kらの半球間抑制が右大脳半球(劣位半球)のそれより強いことが示唆された。
|