2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500513
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
牧野 秀夫 Niigata University, 自然科学系, 教授 (80115071)
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Keywords | 視覚障がい者 / 環境光 / 位置測位 / 魚眼レンズ / 可視光通信 |
Research Abstract |
視覚障がい者に対し,失われた光の情報を最先端情報技術により提供する新しい環境認知方式について研究する.具体的には,視覚障がい者周囲の太陽を含む照明環境を測位衛星の一種と仮定し,歩行時の測位精度を格段に向上させる実時間環境光認知マップ(以下,オプティカルコンテキストマップ)の開発を目的とする.平成21年度の成果としては,1)環境光計測ハードウェア開発:輝度振幅計測を含めたアナログ系PLL回路では環境光の時間的ならびに輝度的な変化に追随することができないためディジタル信号処理によるFM-AM復号回路を作成した.具体的には,AD変換器を有するFPGA回路を用意し,受光波形の実時間ディジタル処理を可能とした.2)受光波形の理論解析:今回初めて計測される高精度環境光の結果を利用して,屋内外環境光マップを実現する上で問題となる自己位置特定のための受光波形に対する理論解析と資料収集を行った.具体的には,環境画像計測に魚眼レンズを使用し,可視光通信により得られる位置情報と連動した自己位置特定方法を考案した.3)障がい者支援施設との協調:特に,音声位置案内においては視覚障がい者とのコミュニケーションが大切であるため,地元NPO法人「障がい者自立支援センターオアシス」の協力を得て,屋内における対象環境光のリストを作成した.また,曲がり角付近における歩行速度と音声案内のタイミングなどを,可視光通信環境下における案内実験により積極的に収集した.その結果,測位時間と音声案内提供の時間的なタイミングの重要性,あるいは重複障がい者(視覚障がいと四肢麻痺)に対するセンサ装着方法および併用する加速度センサのパターン変化など歩行支援に対して意義のある貴重なデータを得ることができた.次年度は,これらの検討事項を装置開発に反映させて,より具体的な測位装置のまとめと環境光マップ作製に関する検討を行う予定である.
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Research Products
(1 results)