2010 Fiscal Year Annual Research Report
視覚バリアフリーのためのWebセーフカラー視覚分光輝度データベースの構築
Project/Area Number |
21500514
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 徹也 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (70238575)
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Keywords | カラーユニバーサルデザイン / Webセーフカラー / 高齢者 / 視覚工学 / 視覚バリアフリー |
Research Abstract |
本研究は、Webセーフカラー216色の輝度、色度、及び分光輝度を精密に測定することによって、高齢者に配慮した色覚コントラストに関する規格を詳細に検証するとともに、Web画面の作成者に対して、候補色やコントラスト適合性をリアルタイムに判定できるシステムを提供することを目的としている。 今年度は前年度の測定によって得られた分光放射輝度データに基づき、WCAG2.0輝度コントラスト比達成基準に関する詳細な検証を実施するとともに、輝度コントラスト比適合性を判定するシステムについて検討した。成果の概要は以下の通りである。 (1)測定値および年代別分光視感効率より年代別輝度を計算した結果、WCAG2.0理論値との輝度比は、加齢により緑・青系統のHSV色相領域では減少し、特に50歳代以降において青(HSV色相240°)近傍における低下が顕著であった。また黒に対する年代別輝度コントラスト比を求めた結果、輝度コントラスト比増減率の分布は加齢により分散傾向を示し、70歳代では140色中47色が10%以上の減少率となった。WCAG2.0は加齢による感度低下を考慮した場合でも、適合条件が変化する色が少ないことから、概ね適切な輝度コントラスト比を確保していると考えられるが、青近傍の領域の色を使用する場合は輝度コントラストの減少に注意が必要であることが明らかとなった。 (2)輝度コントラスト比適合性を判定するシステムに関しては、当初PHPおよびデータベースによるWebアプリケーションの開発を予定していたが、判定結果および候補色の動的な表示には、ActionScript3.0によるFlash形式での開発がより適切であることが分かった。来年度の高齢被験者を対象とした応答実験の結果を踏まえ、システムを完成させる予定である。
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Research Products
(3 results)