2011 Fiscal Year Annual Research Report
視覚バリアフリーのためのWebセーフカラー視覚分光輝度データベースの構築
Project/Area Number |
21500514
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 徹也 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (70238575)
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Keywords | カラーユニバーサルデザイン / Webセーフカラー / 高齢者 / 視覚工学 / 年代別分光視感効率 / 視覚バリアフリー |
Research Abstract |
本研究は、Webセーフカラー216色の輝度、色度、及び分光放射輝度を精密に測定することによって、高齢者に配慮した色覚コントラストに関する規格を詳細に検証するとともに、Web画面の作成者に対して、コントラスト適合性をリアルタイムに判定できるシステムを提供することを目的としている。 今年度は、前年度までの研究成果として得られた、分光放射輝度と年代別視感効率によるWCAG2.0輝度コントラスト比達成基準の評価結果を検証するため、若年被験者と高齢者分光透過率再現メガネを用いた応答実験を実施した。また、分光放射輝度データベースに基づく輝度コントラスト比適合性を判定するシステムを開発した。成果の概要は以下の通りである。 (1)カラーマッチング法による応答実験の結果、高齢者視環境下においては特にHSV色相216°~264°、HSV彩度204以上の青系統の色度領域における大幅な感度低下が見られた。この実験結果は、WCAG輝度コントラスト比達成基準に関する評価によって得られた結果と一致した。結論として、WCAG2.0達成基準1.4.3,1.4.6は加齢による感度低下を考慮したとしても、適切な規格であると考えられる。ただし黒を背景としてHSV色相240°近傍の色度領域を使用する場合、年代別輝度コントラスト比の絶対値が低く、かつ加齢による減少率が大きいため注意が必要である。また、70歳代以降の高齢者に対して情報提示を行う場合は黒背景に対してHSV輝度024以上の前景色の使用が適切であることが明らかとなった。 (2)分光放射輝度データベースによって、Webセーフカラーの輝度コントラスト比を、sRGBによる理論値、分光放射輝度計による年代別コントラスト、およびL^*明度指数の比として多角的に計算することが可能になった。
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Research Products
(2 results)