2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500520
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 澄子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (30302102)
|
Keywords | 下肢装具 / 歩行障害 / 歩行分析 / 制動装置 |
Research Abstract |
長下肢装具は足関節および膝関節まわりの筋力低下者の歩行補助のために使用される装具である。従来の長下肢装具では足継手および膝継手を固定するものが多く、なめらかな歩行が困難であった。これに対して近年、足関節の動きや足の接地状態を感知して、膝継手の屈伸制御を行う長下肢装具が開発されたが、屈曲解除のタイミングの検出方法に問題があった。一方、研究者らは過去の歩行分析の研究によって、歩行中の下肢関節まわりでは制動の補助が重要であることを示し、これに基づいて油圧ダンパーを足継手に使用した短下肢装具を開発した。本研究では、長下肢装具の足継手に油圧ダンパーを組み込むことによる膝関節の制御および歩行改善の可能性を検討することが目的である。 平成22年度の研究では、3次元動作分析装置を使用した計測により長下肢装具を使用した歩行時の両側の足接地のタイミングを知る方法について検討した。結果として足関節モーメントによるタイミングの予測がもっとも正確であることが明らかになった。この結果を受けて、平成23年度には足継手に組み込んだ油圧ダンパーの制動力を計測できる長下肢装具の試作を行った。試作した長下肢装具を使用した歩行を計測した結果、装具側接地のタイミングはある程度正確に予測することが可能であったが、反対側接地のタイミングの予測が困難であることが明らかになった。この結果より、足継手からの信号で膝継手の屈伸制御をおこなうことは困難であるとの結論にいたった。しかし、油圧ダンパーによる足継手の制動の有用性は確認することができたため、今後は膝関節屈伸制御を必要としない長下肢装具への応用を目指すこととした。
|
Research Products
(1 results)