2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサルデザイン信号灯のCIE標準仕様化に関する研究
Project/Area Number |
21500530
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
落合 太郎 九州産業大学, 芸術学部, 教授 (00330788)
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Keywords | 色覚異常 / 色盲 / 交通信号機 / LED / ピクトグラフ / CIE / バリアフリー / ユニバーサルデザイン |
Research Abstract |
1.モデル信号灯の改良 昨年度の改良成果により、色覚異常者には100mからでも赤信号に×が見えるが、健常者には見えないという「閾値」性能が大幅にアップしたことを受けて、グッドデザイン賞に申請し受賞した。さらに警察庁の担当部局に実際の性能を信号機メーカーの工場にて検査依頼し、社会実験に対する検討を自動車試験場の借上げとして行う当初の計画であったものを、「公道」で行う旨で検討することを許された。 2.色覚異常者の明暗感度に関する検証 アノマロスコープを入手したことを受けて、色覚異常者の正確な類型化と色彩感度に関する検証を実施した。1型の色覚異常では明暗感度がより敏感であるが、赤色の識別が困難であることから×印のデザイン性能のあり方を検討した。2型の色覚異常では黄と赤がほとんど同じ色度であるため、信号の明るく見える方が黄、やや暗く見える方が赤という具合に「経験知」としていることが実験によって確認された。 3.公道実験の実施 福岡県警と福岡市の外郭団体と共同で公道実験を実施遂行した。東日本大震災の影響、特殊LEDの製造遅延、福岡と東京の同時実施という特殊条件が重なり研究年度内実施が不透明であったが、1月27日から3月30日までの約2ヶ月という実施期間で完了することができた。ユニバーサルデザイン性能の評価と社会受容性(パブリックコンセンサス)を検証する目的で行い、それぞれ95%のアンケート結果からは賛成意見が得られ、性能に関しては実用化モデルへ向けた最終改良点の洗い出しに成果が見られた。 4.CIE標準化に向けた対応 社会実験の実施に際してはNHKやフジテレビの全国放送を初め、地域マスコミ各社からの報道、インターネットニュースでの報道もあり、社会ニーズの高さを実感した。CIEからも継続的に高い関心が寄せられ、来年度に予定される標準仕様化部会TC4-46で成果を報告する。
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