2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化修飾代謝物質制御による維持透析患者の運動機能障害に対する改善
Project/Area Number |
21500532
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大橋 篤 Fujita Health University, 医療科学部, 准教授 (30310585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 敏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50340229)
村上 和隆 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (30267950)
中井 滋 藤田保健衛生大学短期大学, 専攻科, 准教授 (20345896)
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Keywords | 酸化修飾代謝物質 / ラジカル捕捉活性 / 酸化ストレス / 維持透析 / 運動機能障害 |
Research Abstract |
血液透析は体外循環での白血球刺激により産生される活性酸素に暴露され、動脈硬化や異化亢進など様々な合併症を招きQOLを低下させている。本研究の目的は、血液透析による血液成分の酸化修飾度を検証し、活性酸素を消去するビタミンE被覆透析膜や修飾タンパク質を吸着除去する透析膜による積極的な抗酸化透析が維持透析患者の動脈硬化や運動機能障害をはじめQOLの改善に寄与するか検討することである。平成21年度は、血液成分の酸化ストレスの評価法の確立を主題とした。酸化ストレス度はd-ROMs法と血漿タンパク質過酸化物の測定さらにHPLC法によるメルカプト/ノンメルカプトアルブミンを主な評価項目とし再現性の確認と測定条件を確立した。一方、抗酸化能はBAP法を評価項目とし、予備検討により透析で抗酸化能が低下することを確認した。さらに、新たな抗酸化力マーカーとしてマイクロプレートを用いたDPPHラジカル捕捉活性を試みた。その結果、反応溶液の液組成が有機溶媒系であるが故、蛋白変性が生じたため測定不可能であった。そこで、液組成と測定条件を改良したところ、BAP法との相関も良好で且つ高感度の測定系を確立することが出来た。次いで、造血抑制物質など大分子量溶質を吸着除去するポリメチルメタクリレート透析膜の酸化修飾成分の除去特性を検討するため、透析膜内面に界面活性剤を循環させ得た洗浄液のタンパク画分をSDSにより分取し、各画分の酸化ストレスマーカーを測定したが、抽出量が少なく且つ再現性が不良であった。そこで、透析前,後の血漿をゲルろ過クロマトグラフィーで分離し280nmに吸収極大を有する画分の酸化ストレスマーカーを測定したところ、大分子と小分子画分のDPPHラジカル捕捉活性が著しく変動する事を明らかにした。次年度は、ビタミンE被覆処透析膜を含む透析膜の材質をクロスオーバーで変更させる長期間の臨床試験を行い、酸化ストレスマーカーの動態と運動機能に関連するQOLの関連性を検討する。
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Research Products
(2 results)