2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知症者を対象とした近時の成功経験の想起を促す電子日記帳の開発
Project/Area Number |
21500536
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
石渡 利奈 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所福祉機器開発部, 研究員 (10415359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 美里 東京大学, 工学系研究科, 助教 (20409668)
本村 陽一 独立行政法人産業技術総合研究所, サービス工学研究センター, 副センター長 (30358171)
武澤 友広 福井大学, 生命科学研究教育センター, 助教 (90455379)
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Keywords | 痴呆 / 電子デバイス・機器 / 人工知能 / ユーザーインターフェース |
Research Abstract |
今年度の目標は電子日記帳の試作版を開発することであった。開発にあたって,まず,電子日記帳の要求機能である日記帳に蓄積した日記の中から成功経験を記録した日記を抽出するアルゴリズムの精度を検証した。このアルゴリズムは前年度に開発した「国際生活機能分類のコードを利用したキーワード辞書」を組み込んだもので,今年度は健常高齢者20名から収集した819の日記データを対象に,成功経験の日記の抽出を試みた。その結果,成功経験に該当する達成経験(困難なことを成し遂げた経験)の日記には,ネガティブな記述も含まれることがあるため,抽出が難しいことが明らかになった。ネガティブな記述内容であっても,成功経験として解釈できる日記が存在することは,若年認知症者1名から収集した67の日記データの内容の分析からも明らかになった。そこで,成功経験の抽出アルゴリズムに関しては,日記を記録する前後においてポジティブ気分の変動を測定しておき,その変動の程度をキーワード辞書による日記のポジティブ度の評価と統合した上で,成功経験としてその日記を抽出するかどうかの判定を行うよう仕様を決定した。また,インターフェースに関しては,健常高齢者及び若年認知症者を対象とした機器の操作性に関する実験結果を踏まえて仕様を決定した。以上を元に,ipadをプラットフォームとして,日記の記録及び参照が可能なアプリケーションを開発した。以上の研究成果は,電子日記帳の要求機能の実現方法を具体化し,開発を進めた点で意義がある。
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Research Products
(2 results)